業務アプリ構築PaaS「kintone」をはじめとするクラウドサービスや製品を提供するサイボウズは、2016年から開催する自社イベント「サイボウズデイズ 2020」を開催した。
今回は、新型コロナウイルス感染症対策を講じて11月11~13日に開催された東京会場のさまざまなセッションの中から、コロナ禍で注目されているワークフローによるテレワーク活用と限界突破方法についてのセッション「がんばれ、ケイエイシャ! 気楽に進める脱ハンコ出社」をレポートしよう。
「サイボウズデイズ 2020」で行われたランチセッション「がんばれ、ケイエイシャ! 気楽に進める脱ハンコ出社」
登壇したのはコラボスタイル(名古屋市中村区)代表取締役社長の松本洋介氏。元バーテンダーであり、コラボスタイルのほか、名古屋の地域コミュニティーである「八の会」代表や、一般社団法人コンピューターソフトウェア協会(Computer Software Association of Japan:CSAJ)の理事も務めている。
コラボスタイルは2013年7月に創業し、脱ハンコ、脱書類を実現できるというワークフローサービスを提供している。
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テレワークの課題は書類とコミュニケーション
テレワークを阻害しているのは何かというアンケートを取ると、やはり「紙の書類」と「コミュニケーションが取りづらくなったこと」が原因だったという。自宅にプリンターやスキャナーがないというハードウェアの問題で、契約書を作るために出社しなければならないことが問題になっている。そのため、テレワーク経験者の64.2%は紙書類の確認や押印作業で、やむなく出社した経験があるそう。
「今在宅ワークされている方はどのくらいいますか?」という松本氏の質問には、会場の3分の1ほどが手を上げた。
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企業が働き方改善のために導入するツールのトップ3は、経費精算と勤怠管理、ワークフローとなる。これらのツールを導入することで、紙からの脱却というメリットが得られるためだ。他にも、どこからでも承認できたり、進捗状況が可視化できたりするので、業務の処理スピードも向上する。
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ワークフローのメリットは
ワークフローが最大の効果を出せるのは、一人で完結したり、部署内で利用したりする業務よりは、チーム×チームで働くスタイルだという。自分のチーム内はkintoneやビジネスチャット「Slack」を使ってコミュニケーションできるが、他のチームにはなかなか声をかけづらい。それが、仕事を阻害する要因になるという。
「チーム内は仲間意識が強くないと仕事が進まないので、必然的にコミュニケーションが図られます。例えば、営業と総務で受け渡しをするときに、前工程と後行程を考えてあげなければなりません。『こうやって書いてくださいって言ってるのに」と何度もやり取りするのはストレスです。チーム間の仕事には、担保されるべきルールが存在するのです」(松本氏)