ITRは、国内におけるCASB(Cloud Access Security Broker)運用監視サービス市場の推移と予測を発表した。CASBは、クラウド利用時のデータ保護、可視化、コンプライアンス、脅威防御などを担保し、セキュリティリスクへの対処を可能にする。
それによると、同市場の2019年度の売上額は3億4000万円で、前年度の2.4倍に急成長した。同サービスの提供ベンダーは増加しており、本格的な市場形成が期待されることから、2020年度は引き続き2倍以上の伸びにより7億円に達すると予測される。
CASB運用監視サービス市場規模推移および予測(2018〜2024年度予測)
CASBはクラウドセキュリティ対策として近年成長を続けている。しかし、専任要員の不足などから自社ではCASBを運用しきれていない企業が多いのが実情で、CASBを構築・販売しているベンダーが運用監視サービスをメニュー化し、セットで提案するケースが一般化しつつある。
ITRでは、ユーザーのワークスタイルがオフィスワーク主体からテレワーク(リモートワーク)主体へ変化することで、クラウドサービスの利用がさらに加速しているとしている。これを背景に、クラウドサービスの利用に当たってはさまざまなリスクを低減して安全に利用する上でCASBが必要不可欠になっているとした。さらにCASBには多くの機能があり、使いこなすのが難しいため、ベンダーが運用を含めたサービスを提供することで、ユーザーは運用にかかる負荷を軽減できるとしている。