デル・テクノロジーズは12月9日、新たなデータ保護専用統合型アプライアンス「Dell EMC PowerProtect DP」シリーズと、データ保護管理ソフトウェア「Dell EMC PowerProtect Data Manager」の機能強化を図ったことを発表した。
規模や要件に合わせた「PowerProtect DP5900」「PowerProtect DP8400」「PowerProtect DP8900」の新3モデルに、従来の「Dell EMC IDPA(Integrated Data Protection Appliance) DP4400」をブランド変更した「PowerProtect DP4400」が加わる。税別価格は350万円から。DP5900、DP8400、DP8900は12月15日から提供する。
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AWSやAzureのKubernetes、VMware Tanzuにも対応
デル・テクノロジーズのデータ保護専用型アプライアンスはIDPA DP4400が主力製品だったが、今回市場投入するPowerProtect DPシリーズは最大65対1の重複排除性能を維持したまま高速化し、容量効率や消費電力を大きく上回るという。同社のテスト結果によればバックアップは38%、復元は45%高速化し、容量効率は30%向上。消費電力を最大23%削減していると性能向上を強調した。
デル・テクノロジーズ DPS事業本部 シニア・ビジネス・ディベロップメントマネージャー 西頼大樹氏
DPS事業本部 シニア・ビジネス・ディベロップメントマネージャー 西頼大樹氏は「独自のプラットフォームだったIDPAシリーズを、デル・テクノロジーズのPowerEdgeベースなどを用いてキッティングした結果」と説明した。また、サイバー攻撃の被害に対応するため、データ復元ソフトウェアの「PowerProtect Cyber Recovery」をフルサポートし、コンテナー環境のバックアップ需要を踏まえてPowerProtect Data Managerからのデータ格納に対応する。
最新版のPowerProtect Data Manager 19.6は、PostgreSQLやApache Cassandraを実行するコンテナーをエージェント不要でバックアップ可能にした。「本番環境のデータ保護に寄与する」(西頼氏)。従来はVMwareの仮想化環境が中心だったが、コンテナーのオーケストレーションツールである「Kubernetes」を実行できるマネージドサービスである「Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)」や「Azure Kubernetes Service(AKS)」で用いるコンテナーファイルにも対応する。
クラウドの文脈では、Amazon Web Services(AWS)で米国政府機関向けに提供される「AWS GOVCloud」をサポートするとともに、仮想アプライアンス「PowerProtect DDVE(Data Domain Virtual Edition)」の展開と稼働がAWSとMicrsoft Azureで可能となり、PowerProtect Data Manager自身をアプリストアサービス「VMware Cloud Marketplace」経由で導入できるようになっている。
また、VMwareがグループ企業である相乗効果として、Kubernetesを「VMware vSphere」の一部として使用する「VMware Tanzu」をサポートするとともに、VMwareストレージポリシー管理を組み合わせる機能の追加、VMwareと共同開発した「Transparent Snapshot」機能が加わっている。