Transparent SnapshotはVMware ESXiのカーネルに仮想プロキシとして稼働するStorage Data Moverを実装することで、PowerProtect Data Managerで設定したポリシーやスケジュールをもとに仮想マシンを監視し、バックアップデータの取得を要求すると、Storage Data Moverがスナップショットを直接転送する。
西頼氏はTransparent Snapshotについて、「仮想マシンのサイズが巨大化するとバックアップ負荷も増大し、本番環境のパフォーマンス悪化につながる」ことを回避できると主張した。バージョン19.6には、この他にもレポート機能の強化やジョブGUIの拡張、アップグレードの簡素化なども加わっている。

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複雑な仕組みによる運用負荷を改善したい
米本社Dell Technologiesは3月、データ保護に関する調査結果を発表した。グローバルでは、94%の企業が新規サービス展開先をマルチクラウド指向で検討し、マルチクラウドに対応したデータ保護策が求められているという。

デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長 芳澤邦彦氏
だが、日本国内の需要はグローバルと異なっているという。「日本は複雑な仕組みでシステムが組まれている。それに伴うデータ保護運用の負荷を大幅に改善したいという課題を顧客から求められる」(デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長 芳澤邦彦氏)
同社は運用負荷やリモートワーク環境、サイバー攻撃時の復旧といった多くの場面でデータ保護需要が高まっていることから、今回のラインアップ刷新や機能強化を図ったと説明する。
また、米国金融業界がサイバー攻撃による被害から金融システムを保護することを目的に設立した非営利団体のSheltered Harbor(シェルタード・ハーバー)に2019年から米本社が参画。データを壊滅的に失いかねないサイバー攻撃の被害に備えて、復旧可能なデータを担保するためのソフトウェアであるPowerProtect Cyber RecoveryでSheltered Harborが求める「Data Vaulting(データ隔離)」仕様を実装可能にしたことも発表した。