Javaは、1年前には開発者の間でもっとも人気のあるプログラミング言語だったが、今ではPythonと2位を争うようになっている。
ソフトウェア企業のTIOBEが発表した2020年12月のプログラミング言語ランキングでは、もっとも人気のある言語はCだった。2位以下にはJava、Python、C++、C#、Visual Basic、JavaScript、PHP、R、SQLが続いた。
TIOBEのランキングは検索エンジンのデータに基づくもので、2020年11月のランキングではPythonがこの20年間で初めてJavaよりも上位にランクインしたが、12月はまた3位に戻った。
TIOBEのランキングがどれだけ正確かについては、毎月の変動の激しさを考えれば、おそらく多少割り引いて考えるべきかもしれない。ただし、Javaの言語としての人気を表すこの指数は、一貫して下がり続けている。
12月の結果を見ると、Javaのレーティングが1年前と比べて4.72%減少している一方で、Pythonは1.9%上昇していた。
12月の発表では、1月に発表される予定の年間最優秀言語の候補が挙げられているが、同社の最高経営責任者(CEO)であるPaul Jansen氏は、誕生から約30年になるPythonが受賞する可能性が高いと述べている。
「過去1年間でもっともレーティングが上昇したプログラミング言語がこのタイトルを獲得する。現時点では、Pythonの増分(+1.90%)がほかの言語を大きく引き離している。2位以下にはC++(+0.71%)、R(+0.60%)、Groovy(+0.69%)が続いているが、2020年最後の月に、ほかの言語がPythonとの差を詰める可能性は非常に低いだろう」(Jansen氏)
Pythonが年間最優秀言語のタイトルを獲得するのは、4度目となる。Pythonは、「NumPy」や「SciPy」といったデータサイエンス用ライブラリーのエコシステムから受ける恩恵もあって、データサイエンスや機械学習の分野でよく使われるようになった。
一方で、Javaは「深刻な状態にある」とJansen氏は言う。Javaは、25年前にSun Microsystemsで作られた。
Jansen氏は以前、Python人気が急上昇しているのはデータサイエンスのためだけではなく、熟練したプログラマーのみならず、プログラマー以外の人でも簡単に習得できる言語だからだと述べたことがある。
ただ、Pythonにも苦手はある。バックエンドシステムの自動化や機械学習の用途にはよく使われるものの、ユーザーインターフェースを持つアプリケーションなどの分野では、ブラウザーにおけるJavaScriptや、JavaやKotlinなどの言語と比べると選ばれにくい。
TIOBEのランキングに見られるもう1つの注目すべき変化は、Rustに関するものだ。Rustは2020年、バージョン1.0のリリースから5年を迎えた。MicrosoftやAmazon Web Services(AWS)などをはじめとする企業でも活用されている。
Rustは2019年12月には25位だったが、2020年12月は21位までランクアップしている。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らによって生み出されたJuliaも、30位から26位まで順位を上げた。
一方、Googleが作ったDartは、27位から31位までランクダウンしており、Kotlinも36位から40位に順位を落とした。TypeScriptは43位から42位に1つ順位を上げた。
TIOBEのランキングは、RedMonkのランキングとはかなり様相を異にしている。RedMonkの最新のランキングではJavaScriptが首位であり、TypeScriptは2020年7月以降、20位以内に食い込んでいる。RedMonkのランキングは、GitHubとStack Overflowのデータに基づいている。
GitHubのランキングを見ても、GitHub上に置かれたプロジェクトにおけるTypeScriptの利用は急速に増えている。2016年まではTypeScriptが10位圏内に入ることはなかったが、今では4位にランクインし、C#、PHP、C++よりも上位に付けている。GitHubのランキングでTypeScriptよりも上位にあるのは、JavaScript、Python、Javaだけだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。