5Gは速い--使える場所は限定的
Fold2の最大の特長となる5G対応だが、実際にどう活用できるだろうか。5Gの基地局がある場所にいって実際にインターネットのスピードを計測した。
auは、5Gの帯域として、Sub6(3.7GHz帯)を200MHz(100MHz×2)、ミリ波帯(28GHz)400MHz分を割り当てられている。今回テストしたFold2はSub6だけの対応となる(海外のFold2は、ミリ波にも対応している)
auの5Gエリアマップを見てみると、Sub6は大阪の環状線沿線にポツポツと基地局が建っている。ミリ波帯の基地局は十数しか建っておらず、Sub6の基地局に関しても点々としており、まだ面での展開はできていない。
※クリックすると拡大画像が見られます
※クリックすると拡大画像が見られます
実際のテストでは、アンテナの近くでは自宅のWi-Fiアクセスポイントに匹敵するスピードが出たが、基地局から100mほど離れると一気にスピードが落ちてしまった。また、道路を隔てたり、ビルの陰に入ったりしても、スピードが変化してしまう。
※クリックすると拡大画像が見られます
※クリックすると拡大画像が見られます
ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) | |
---|---|---|
自宅Wi-Fi (Wi-Fi 5) | 305.5 | 425.9 |
au 4G | 28.3 | 1.89 |
au 5G(アンテナ近く) | 319.2 | 76.2 |
au 5G(アンテナから離れた場合) | 89.4 | 3.11 |
結果から考えると、5Gを活用するためには基地局の整備がまだまだ必要なようだ。5G対応のためにスマートフォンを購入すると、性能が出ずにがっかりしてしまうことになるだろう。
5Gのアンテナから少し離れると、5Gのアンテナマークは立ったままだが、スピードが一気に落ちる
auやソフトバンクは4G帯域を5G化する方針を示しているため、5Gの接続エリアが一気に進む。ただ、4G帯域を5G化するだけでは、5G接続はできるがスピードは出ず、4Gとほぼ同じスピードと言われている。高速で大容量な5Gを生かすには、4G以上にSub6の基地局を整備する必要がある。また、5Gが最も性能を発揮するのはミリ波帯域だ。ミリ波帯域は、4GやSub6の基地局よりも電波が届かないため、電信柱ごとにアンテナを建てないと、ミリ波でのエリア展開はできないだろう。
こういったことを考えてみると、5Gを目的としてFold2を購入すると、期待外れとなってしまう。当面の間は、多くの5G対応スマートフォンは4Gで使うことになるだろう。
Fold2自体は、Foldからブラッシュアップされ、使いやすく改良されている。サブディスプレイの大型化、中折れメインディスプレイがフレキシブルな角度で開くことができる。これは、ビジネスで長文を打ったり、パワーポイントを確認したりするのは便利になる。こういった部分では、ビジネスで利用するには大きなメリットがある。惜しむらくは、価格が高いため、Fold2とノートPCどちらを買うか悩むことになるだろう。