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セールスフォースの新しい顧客データ管理基盤--顧客ごとにリアルタイムに対応

河部恭紀 (編集部)

2020-12-14 07:40

 セールスフォース・ドットコム(千代田区)は12月8日、「Customer 360 Audiences」と「Interaction Studio」を国内で提供開始することを発表した。同社デジタルマーケティングプラットフォーム「Marketing Cloud」の可能性を広げるものだと同社は説明している。

 Customer 360 Audiencesは、あらゆるタッチポイントでパーソナライズされた体験を提供するカスタマーデータプラットフォーム(CDP)。Customer 360 Audiencesにより、マーケティング担当者は、顧客データを取得して統合し、セグメント化や活性化が可能という。顧客に関する「信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth:SSOT)」を提供し、マーケティング、コマース、サービス、セールスなどの分野でパーソナライズされた顧客体験の提供を支援する。

 Interaction Studioは、リアルタイムパーソナライズとインタラクション管理として、さまざまなチャネルにおける1対1のエンゲージメントを可能とする。行動分析と機械学習をデータソースと組み合わせることで、顧客や見込客に関する包括的な視点を提供。さらにカスタマージャーニーの重要なポイントにおいても、関連性が高く、個別に最適化された体験の提供が可能となる。パーソナライズされた体験を提供し、企業のエンゲージメント、コンバージョン、収益、ロイヤリティーの向上をサポートできると説明する。

顧客が求めるのはパーソナライズされた体験

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、多くの企業では、顧客の顔を直接見ながらやりとりすることが少なくなったことから、「どうやって顧客を理解するか、それをどうやってデジタルで実現するかということが課題になっている」とセールスフォース・ドットコムでマーケティング本部プロダクトマーケティング マネージャーを務める前田恵氏は述べる。一方、消費者も企業とのつながりを求めており、前田氏によると、顧客や見込客がパーソナライズされたエクスペリエンスを期待していると調査で回答したマーケターは92%だという。

 だが、企業が顧客と実際に接する場合、「各部門が見ているのは、顧客の全体像ではない」と前田氏。企業ではマーケターやカスタマーサービス、セールスなどが顧客と接しているが、マーケターなら「エンゲージメントの向上」、カスタマーサービスなら「自己解決率の向上やケースあたりコストの削減」、セールスなら「売り上げや顧客の増加」といった個別の評価指標(KPI)の達成を目指している。その場合、たとえば、マーケターは、カスタマーサービスと顧客がどのようなやりとりをしてきたかなどについて、データが共有化されていないなどの理由から、把握できていないのが現状だという。

 「企業にある顧客データがこのようにサイロ化されたままでは、顧客が求めているようなシームレスなエクスペリエンスを実現できない」(前田氏)

 実際、世界27カ国の一般消費者1万2000人を対象にした2020年の調査では、「自分のニーズや期待を理解することをブランドに求める」「自分の気持ちに寄り添うことをブランに期待する」「企業の部門間で連携した一貫性のある対応を期待する」と回答した顧客はそれぞれ、66%、68%、76%だったのに対し、「気持ちに寄り添う対応を企業が実現している」「企業は顧客を1人の人間として扱っている」「セールス、サービス、マーケティング間で情報が共有されていない」と感じていると回答した顧客はそれぞれ37%、34%、54%だった。

 「期待と現実でギャップがあるのが分かる」と同社で専務執行役員ジェネラルマネージャ プロダクトセールス担当兼韓国リージョン統括を務める笹俊文氏は述べる。

 マーケター側も最優先課題として、リアルタイムの顧客エンゲージメントや顧客データソースの一元化を挙げている。世界のマーケター7000人を対象にした調査では、「リアルタイムの顧客エンゲージメント」「イノベーション」「チャネルやデバイス全体での一貫性のあるカスタマージャーニーの創出」「顧客データソースの一元化」「一元化された顧客データを全ビジネスユニットで共有する」が最優先課題のトップ5になっている。

 ただし、日本では、マーケターが2020年に使用している顧客データソース数が中央値で25。世界のおよそ2倍で、顧客データを一元化するという優先項目に対して実際にはデータが非常に分かれていることを示す結果となっている。

 「点在する顧客データを一元管理し、そこからよりパーソナルなエンゲージメントをよりリアルタイムに図っていく」ことをCustomer 360 AudiencesとInteraction Studioは可能にすると笹氏は説明する。

情報を一元管理してパーソナルな体験を提供

 顧客データを管理するプラットフォーム「Customer Data Platform(CDP)」について、企業が求めているのは”インサイトに特化したCDP”と”エンゲージメントに特化したCDP”だと前田氏は述べる。Customer 360 Audiencesはインサイトのためのシステムで、Interaction Studioは、エンゲージメントのためのシステムとなる。


Customer 360 Audiencesでのデータの取り込み。左側は取り込み元のデータ、右側はCustomer 360 Audiences内の取り込み先のデータテーブル。マーケターは、左側のデータ項目と対応する右側のデータ項目を紐づけることで、施策に必要なデータ項目だけを取り込める。
Customer 360 Audiencesでのデータの取り込み。左側は取り込み元のデータ、右側はCustomer 360 Audiences内の取り込み先のデータテーブル。マーケターは、左側のデータ項目と対応する右側のデータ項目を紐づけることで、施策に必要なデータ項目だけを取り込める。
提供:セールスフォース

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