一連のIT企業が新たなアライアンス「Modern Computing Alliance」を結成した。創設企業にはGoogle、Intel、Dellのほか、Box、Citrix、Imprivata、Okta、RingCentral、Slack、VMWare、Zoomが名を連ねており、「シリコンからクラウドまで」を網羅した、技術革新と統合の強化を目指すという。
Modern Computing Allianceの設立趣意は、コンピューティング環境で異種混在が進む一方、より優れた協業、統合、連携が重要であることを認識することだ。
IntelはPC革新を促進し、エンタープライズ向けのハードウェア、ソフトウェア、プラットフォームを統合するために提携する。全体的な目的は、クラウドと「Chrome」搭載エッジデバイス間の摩擦を減らすこととみられる。
Googleの「Chrome OS」担当バイスプレジデントのJohn Solomon氏は、次のように述べた。「今後2〜3年間の顧客の期待に応えるには、より優れたパフォーマンス、セキュリティ、そしてより統合された形でワークロード全体について熟考する必要がある。われわれは、シリコンからクラウドまでのワークロードをじっくりと考え、早期から開発者を巻き込んでいく」
Intelのモバイルクライアントプラットフォームグループ担当ゼネラルマネジャーを務めるChris Walker氏によると、同アライアンスはChromeを活用して、PC業界の革新を推進する。
例えば、Intelのアクセラレーターを使用してワークロードを評価し、会議など処理を効率化する。「クラウドサービスが、ローカルで利用可能なものを認識できれば、効率性を改善できる」と、Walker氏は説明する。
Modern Computing Allianceは手始めに、セキュリティ、生産性、コラボレーション、パフォーマンス、互換性をよりシームレスなものにすることを目指す。同アライアンスは、職場のニューノーマルと、現在従業員が「Zoom」や「Slack」で時間の大半を過ごしているという現実に目を向けているようだ。
Modern Computing Allianceは、以下のような予定を立てている。
- 2021年にワーキンググループを結成し、成果物を生み出す。
- エコシステムと顧客の優先事項のために、指針を策定する。
- 2021年に新製品の提供を目指す。
Dell、HP、レノボなど、「Chromebook」やITサポートを提供する企業が増えており、Chromeはすでにエンタープライズ分野で地歩を確立している。
生産性分野の企業であるZoom、VMware、Citrix、Slackなどと統合できれば、ビジネス分野でChromeエコシステムとの相互運用性が進む見通しだ。
Dellのフェローで、クライアントソリューションズオフィス担当最高技術責任者(CTO)のDavid Konetski氏によると、同社はアライアンスとの提携を通じて、複数環境を最適化し、デバイスのテレメトリーを使用して、機器の保守とセキュリティー確保を目指すという。
Googleの場合、アライアンスへの参加は、より多くの分野におけるChrome OSの地歩拡大につながる。Googleが取り上げた業界として、次のようなものがある。
- リモートワーク:分散した労働力のために、より多くのテレメトリーによる知見を提供できるほか、管理や分析の簡素化が可能に。
- ヘルスケア:遠隔医療のためにIT支出を最大化して、デジタル化を推進。
またSolomon氏は、Modern Computing AllianceはGoogleとChrome OSにとどまらないと指摘した。「現在は、すぐに達成できることに取り組むが、短期的および長期的にエコシステムに貢献していく予定だ。複数年を要する野心的なプロジェクトのほか、幾つかの簡単なことを掲げたロードマップ、そしてより多くの投資を必要とする取り組みなどが生まれるだろう」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。