富士通は12月11日、全国のろう学校や普通学校向けに、音を体で感じるユーザーインターフェース「Ontenna(オンテナ)」のプログラミング教育環境を無償公開した。
Ontennaのイメージ(出典:富士通)
Scratchを使ってOntennaにプログラムする様子(左)と、プログラミングを行うろう学校の生徒の様子(右)(出典:富士通)
今回提供されたOntennaのプログラミング教育環境は、世界中の学校で初心者学習用に使用されているビジュアルプログラミングランゲージツール「Scratch」が活用されている。ユーザーが感じたい音の大きさや高さに対して、Ontennaの振動の強さや光の色をプログラムすることで、「大きな音が鳴った時に3回振動するOntenna」「小さな音をキャッチすると赤く光るOntenna」といったカスタマイズができる。
ろう学校の生徒が考えたOntennaのアイデア(左)と、それぞれプログラミングしたOntennaを発表するろう学校の生徒の様子(右)(出典:富士通)
指導教材は、全国のろう学校や教育機関での活用を目指し、プログラミング機能の指導教材をろう学校の教員と協力して作成した。小学部4年生への指導を基準に作成したが、3〜6年生への指導も可能だという。
内容は、教育指導者向けプログラミング授業指導案、プログラミング授業の投影資料、プログラミング学習プリント、プログラミング機能の基本操作集となっている。
富士通は、今回のプログラミング教育環境の公開に合わせ、Ontennaを用いたプログラミング教育に興味のある学校/教育機関を対象に、アンケートへの回答に協力を募る。その上で、標準でOntenna10個を1カ月間無償で貸し出す。
今後は、ろう学校でのプログラミング教育の活用を進め、普通学校向けにも広く普及させていく。さらに機械学習を用い、チャイムの音や赤ちゃんの泣き声といった、特定の音に反応するOntennaのプログラミング機能の開発を目指す。