デル・テクノロジーズは12月15日、平均25%のサーバー販売価格引き下げを含む新施策を発表した。たとえば、税別価格96万7186円で販売されている「PowerEdge T340」は23%の引き下げで74万2518円、375万9485円の「PowerEdge R640」は27%の引き下げで274万4424円になる。
デル・テクノロジーズ 執行役員 副社長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括 松本光吉氏
今回の施策について執行役員 副社長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括 松本光吉氏は「弊社を含めたサーバーの市場価格は不透明だった。反省している。テクノロジー、ファイナンス、ニューノーマルの3点から見直しを具現化した」と説明した。以下に紹介する価格改正や新消費モデルは12月15日から適用される。
新価格戦略のほかに「製品ポートフォリオの拡充」「消費モデルの導入」「顧客サポート力の強化」「販売エコシステムの強化」を解説した。
月額固定で超過利用分に従量課金
デル・テクノロジーズ 執行役員 製品本部長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括 上原宏氏
デル・テクノロジーズがPowerEdgeに第2世代AMD EPYCプロセッサーを採用したのは2019年9月。執行役員 製品本部長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括 上原宏氏は「弊社サーバーの約6%がEPYCで構成されている」と説明し、第2世代Intel Xeonプロセッサー搭載サーバーとともにPowerEdgeのラインアップの拡充をアピールした。
さらに「製品ポートフォリオの拡充」の文脈で、GPU仮想化ソフトウェア「VMware vSphere Bitfusion」のライセンスを同社から提供することを明らかにした。vSphere Bitfusionは複数のGPUをプールする「Bitfusionサーバー」から、ネットワーク経由で汎用vSphereサーバーもしくはx86サーバーとなる「Bitfusionクライアント」にGPUリソースの提供を可能にすると、VMwareとDell Technologiesが6月に発表した機能である。
VMwareからOEM提供を受けたデル・テクノロジーズは、ライセンス提供から保守窓口まで担う。価格は1年ライセンスが4万2800円、3年ライセンスが5万5900円、5年ライセンスが7万100円となる。
同社はサーバー保守として、サーバー管理プロセッサーの「integrated Dell Remote Access Controller(iDRAC)」と、統合管理コンソールの「OpenManage Enterprise(OME)」を提供している。
iDRACは工場出荷から手元に届くまでの改竄されていないことを証明するもの。このiDRACに「Secured Component Verification(SCV)」機能を搭載することを12月11日に発表している。SCVは、iDRACに埋め込んだプラットフォーム証明書と専用のアプリケーションで、納品されたサーバーと工場を出荷されたサーバーとの整合性を証明する機能だ。
OMEでは、BIOSやドライバ、ファームウェアの更新パッケージ入手ツール「Dell EMC Repository Manager(DRM)」の機能をOMEへのプラグインとして12月10日から提供を開始した。
消費モデルの文脈では、70、75、80%のCPU利用率で月額を固定し、超過利用分に従量課金を適用する「Pre-Approved Flex On Demand Pricing」を発表した。
「たとえば10台のサーバーを購入し、6台は常に稼働。残りの4台は24時間稼働していない場合、Pre-Approved Flex On Demand Pricingを用いると利用率に応じて支払金額が抑制される」(上原氏)
本稿執筆時点で対象サーバーはPowerEdge R640/R740/R740xdのS/M/Lモデルに限定され、PowerEdge R640 Sモデルで36カ月確約・CPU使用率80%の場合、1サーバー1時間利用あたりは43.0266円、月額は2万5128円、確約契約額は82万9224円。