IBMとSalesforceは米国時間12月18日、「IBM Digital Health Pass」と「Salesforce Work.com」を統合すると発表した。両社は職場と公共の場で健康状態を証明する手段の実現を目指している。
リモートワークがよりハイブリッドなものになりつつある中、従業員は何らかのかたちでオフィスに戻っていくことになる。また、米国などで新型コロナウイルスワクチンの配布が始まっている。IBMとSalesforceは、どのようなオフィス復帰の取り組みにも、健康状態やワクチン接種状況を確認する手段が求められるようになると考えている。
IBM Digital Health Passは、ブロックチェーンの活用によってプライバシーを保護しつつ、個人がモバイルデバイスから健康状態を保存、管理、共有できるようにするアプリだ。Digital Health Passは基本的に、空港やスポーツスタジアム、遊園地などの公共の場におけるヘルスパスポートのような機能を提供する。
SalesforceのWork.comは、新型コロナウイルス危機の中、企業の安全管理を支援するソリューションとして、2020年に提供されたアプリケーションだ。またWork.comは「Work.com for Vaccines」で、政府やヘルスケア組織が新型コロナウイルスワクチンのプログラムを効率的に管理できるようにする手段を提供している。
Work.comの「Workplace Command Center」は、Digital Health Passと統合され、リスクの最小化、必要なときに対策すること、効率的なコミュニケーションなどを目指す組織がデータドリブンな判断ができるよう支援する単一のハブを提供する。これにより、安全に従業員をオフィスに復帰させることや、ホテルに顧客が戻り、コンサート会場に音楽ファンが戻り、スタジアムにスポーツのファンが戻ることができるよう支援する。Work.comは、健康状態を調査する機能のほか、新型コロナウイルスの検査、ワクチン接種を管理する機能を備えており、Digital Health Passによって、個人のワクチン接種状況や健康記録といったさらなるデータのレイヤーが追加されることになる。
Digital Health Passによって、ワクチン接種記録や検査結果、測定した体温などを、個人情報を公開することなく、モバイルウォレットを使用して共有できるようになる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。