Microsoftが自社データセンターのサーバー用にArmベースのプロセッサーを独自開発しているという。Bloombergが米国時間12月18日に報じた。また、一部の「Surface」でArmベースの別のチップを使用することを検討しているという。
この動きは、Appleが自社製品にArmベースの「M1」プロセッサーを搭載したことに対抗するものだという見方もあるが、MicrosoftとQualcommは、初代「Surface Pro X」に搭載されたArmチップの設計でもパートナーシップを結んでおり、2代目のSurface Pro Xには、Qualcommと共同開発した「SQ2」が使用されている。
むしろ筆者にとって興味深いのは、MicrosoftがArmベースのチップをサーバーに使用しようとしている点だ。同社はすでに、次世代クラウドのためのハードウェアを設計するプロジェクトである「Project Olympus」に、IntelやAMDのほかQualcommやCaviumとも共同で取り組んでおり、このプロジェクトの成果は「Open Compute Project」に提供されている。またMicrosoftは2017年、QualcommやCaviumを含む複数のArmメーカーと協力し、社内データセンター限定で「Windows Server」をArmベースのサーバーで動かそうとしていることを明らかにした。
筆者は当時、Microsoftの担当者に、Armで動作するWindows Serverを社外のパートナーや顧客に提供する予定があるのかを尋ねた。その際の回答は、この技術は社内利用に限定されたものであり、Armサーバーで運用する「Azure」サービスの評価が目的だというものだった。しかし同社は当時、Armサーバーは検索やインデックス作成、データベース、ビッグデータ、機械学習ワークロードなどの社内向けクラウドアプリケーションには十分だったと述べている。
Microsoftの関係者にBloombergの報道について尋ねたところ、コーポレートコミュニケーション部門の責任者であるFrank Shaw氏から次のような回答が得られた。
「シリコンは技術の基礎的な構成要素であり、当社は(プロセッサーの)設計、製造、ツールなどの分野の自社の能力に継続的に投資している一方、幅広いプロセッサーメーカーとのパートナーシップを強化している」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。