IBMは米国時間12月21日、フィンランドのヘルシンキに本社を置き、欧州でクラウド事業に注力するNordcloudを買収することで合意したと発表した。
IBMは、この買収によってクラウド移行のためのサービスやツールを強化するという。
Nordcloudは「Amazon Web Services(AWS)」と「Google Cloud Platform(GCP)」、「Microsoft Azure」という3つのクラウドプロバイダーから認証されている。
IBMにとってNordcloudの買収は、欧州連合(EU)をベースにしたクラウド契約という点と、マネージドサービスという点で有益だ。後者は、Red Hatが主導するハイブリッドクラウドへの取り組みにつなげられる。この買収は、IBMが自社をハイブリッドクラウドソフトウェアプロバイダーとして位置付ける中で出てきたものだ。同社は10月、マネージドインフラサービス部門を分社化し、新会社として設立する計画も発表している。
Nordcloudは、競争の厳しいクラウドインフラのマネージドサービスという分野で戦っている。同社の競合企業にはAccentureやWipro、Deloitte、Cognizant、Rackspaceなどがある。Nordcloudにとっての主要な業界は製造やテクノロジー、金融サービス、サービスであり、同社はマネージドクラウド製品に加え、ツールやアプリケーションサービスに至るまでのさまざまな製品を手がけている。
以下は、Gartnerの「マジック・クアドラント」での同社の位置付けだ。
Gartnerは次のように記している。
Nordcloudは、欧州を拠点にする顧客を獲得するために、現地の営業および調達チームを活用するとともに、欧州10カ国でオフィスを展開することで、母国フィンランドの垣根を越えて各国の市場で成長を続けている。同社はまた、シンガポールやオーストラリア、中国、中東、北米における顧客プロジェクトも手掛けてきている。主要な販売ハブはフィンランドと東欧(ポーランド)に設置されている。
しかしGartnerは、Nordcloudがこれまで大型買収を実施しておらず、「パブリッククラウドを超えた要求に応える」上で苦心していると記している。
IBMは、こうしたハイブリッドクラウドサービスを得意としているため、Nordcloudの弱点に迅速に取り組んでいくことになるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。