全社DXの取り組みに不可欠な「データガバナンス」
以上が発表の概要だが、今回このサービスに注目したのは、DXに関する取材を通じて、データガバナンスの重要性を訴える声を耳にするケースが少なくないからだ。
例えば、先頃話を聞く機会があった大手システムインテグレーター(SIer)の首脳に「企業がDXに取り組む上で最も大事なポイントは何か」と尋ねたところ、即座に「データガバナンスだ」との答えが返ってきた。そして、次のように説明してくれた。
「例えば、全国に複数の工場を持つ製造業者だと、製品に関するあらゆるデータは全社的に完全な整合性を持つべきだが、工場ごとに長い歴史があるような場合、ある部品における歩留まりの定義が微妙に違っていることがある。それがほんの微妙だったとしても、全社的なデータの整合性から言えば、看過できるものではない。こうしたことをきちんと統制するのが、データガバナンスだ。要は全社で共通に使えるデータにすると。データガバナンスは全社でDXに取り組む際に最もベースになると認識しておく必要がある」
今回は、PwCあらたが提供するデータガバナンス診断ツールを取り上げたが、そのキーワードである「データガバナンス」について、上記のSIer首脳の話が印象に残っていたので紹介した次第である。
PwCあらたでは、このサービスによって診断された結果をもとに、企業固有のビジネス戦略や目標を考慮した持続的かつ戦略的なデータガバナンス態勢構築のための取り組みを支援していく構えだ。今後の動きに注目していきたい。