PwCあらたの新サービスにみる「DXでのデータガバナンスの重要性」 - (page 2)

松岡功

2020-12-24 07:00

全社DXの取り組みに不可欠な「データガバナンス」

 以上が発表の概要だが、今回このサービスに注目したのは、DXに関する取材を通じて、データガバナンスの重要性を訴える声を耳にするケースが少なくないからだ。

 例えば、先頃話を聞く機会があった大手システムインテグレーター(SIer)の首脳に「企業がDXに取り組む上で最も大事なポイントは何か」と尋ねたところ、即座に「データガバナンスだ」との答えが返ってきた。そして、次のように説明してくれた。

 「例えば、全国に複数の工場を持つ製造業者だと、製品に関するあらゆるデータは全社的に完全な整合性を持つべきだが、工場ごとに長い歴史があるような場合、ある部品における歩留まりの定義が微妙に違っていることがある。それがほんの微妙だったとしても、全社的なデータの整合性から言えば、看過できるものではない。こうしたことをきちんと統制するのが、データガバナンスだ。要は全社で共通に使えるデータにすると。データガバナンスは全社でDXに取り組む際に最もベースになると認識しておく必要がある」

 今回は、PwCあらたが提供するデータガバナンス診断ツールを取り上げたが、そのキーワードである「データガバナンス」について、上記のSIer首脳の話が印象に残っていたので紹介した次第である。

 PwCあらたでは、このサービスによって診断された結果をもとに、企業固有のビジネス戦略や目標を考慮した持続的かつ戦略的なデータガバナンス態勢構築のための取り組みを支援していく構えだ。今後の動きに注目していきたい。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]