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コロナ禍で上場したエアビーのしたたかさとは

松岡功

2020-12-24 10:00

 民泊仲介のAirbnb(エアビーアンドビー)が米ナスダック市場に株式を上場し、時価総額が一時、円換算で10兆円を超えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた分野にもかかわらず、株式市場から高い評価を受けた同社のしたたかさとは何なのか。

欧米ホテル大手3社の合計を上回る10兆円超の時価総額を実現

 Airbnbが記録した10兆円超の時価総額は、欧米ホテル大手3社の合計を上回る規模だ。同社はホテル業界の「ディスラプター(創造的破壊者)」とも言われてきたが、改めてその存在感を示して見せたといえよう。

 だが、上場で明らかになった同社の業績を見ると、2019年12月期の売上高は前期比32%増の約48億ドルだったものの、6億9600万ドルの純損失と、これまで巨額の赤字を出し続けているのが実態だ。さらに新型コロナの影響を受けた2020年は、9月末までの9カ月間で売上高は約25億ドル、純損失は6億9600万ドルに達し、前年より悪化している状態となっている。

 Airbnbは創業から12年で約220の国や地域にサービスを広げ、登録されている物件数は740万件と世界最大手ホテルの室数を大幅に上回る。これまで順調に伸ばしてきたビジネスが、2020年は新型コロナの流行によって市場環境が一変し、宿泊需要が急減した。

 これを受け、今春には増資と借り入れで20億ドルの運転資金を確保したり、全従業員の4分の1に当たる約1900人を削減するなどコスト構造の見直しを進めてきた。これにより、2020年7〜9月期の売上高は前年同期比18%と減収傾向が続いているものの、利益は黒字に転換した。

 まずは、こうしたコスト構造の見直しが評価された部分はあるだろう。だが、それもさることながら、コロナ禍への迅速な対応が高い評価につながったようだ。というのは、海外旅行客の急減を受けて、近場の宿泊先を優先的にサイトに表示するなどで顧客をつなぎとめたからだ。また、宿泊場所の貸し手には感染対策の詳細な手順を示し、同意が得られない場合は予約を受け付けないなどの措置をとったという。

 さらに、米国などでワクチン接種が始まったことから、コロナ禍が終息すると旅行需要が急回復するとの見方が株式市場に広がったとも言われている。これは、そんな見方をしたくなるほどAirbnbに対する期待が高まっているとも受け取れる。

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