Backlogを活用することで、メールやスプレッドシートに分散運用していた業務の情報をタスク軸で集約し、必要なチームメンバーにだけ情報を共有することができる。タスクに関する情報がログとして残るため、各人のタスクの可視化や振り返りも容易となる。
Backlogの強みは、シンプルなデザインと直感的な操作性だ。メンバーの学習コストが低く、導入しやすいことも人気の理由だ。NTTドコモ、三井住友銀行、経済産業省、コニカミノルタジャパン、MISUMIなど多くの企業や組織に導入されている。IT、ウェブ業界にとどまらず、金融業界、官公庁や行政団体、製造業など幅広い領域で使用されているのが特徴だ。
Backlogの主なユースケース
それでは、Backlogは導入先でどのように活用されているのだろうか。いくつか事例とともに、Backlogのユースケースを紹介したい。
国内最大級の展示会、国際会議場施設を運営する横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜、横浜市西区)は、テレワークを円滑に進めるためのインフラとしてBacklogを採用し、一部の部署から社内に向けて徐々に利用を広げている。
メール主体のやり取りでは、テレワーク下でリアルタイム性が求められる業務に対応するのは難しい。そのためメールから、Backlogによるタスク管理とチャットツールによるコミュニケーションに移行した。従来は個人による紙ベースのタスク管理が主体で、情報がチームにスムーズに共有されにくかったが、Backlogのカンバンボードやガントチャートを活用することで、チームの業務を可視化して、タスクの対応漏れを防ぐことが容易になった。
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経済産業省は、複数の省庁と進めているデジタルプラットフォーム構築プロジェクトでBacklogを採用している。10社を超える外部ベンダーとの協業の際に問題となったのが、ベンダーごとに提出される課題管理表が標準化されておらず、確認やすり合わせに時間を取られていたことだった。形式の不統一や、複数のファイルの整合性を取ることに、多くの時間を費やさざるを得なかった。
そこで課題管理をBacklogに統一することで、ファイル管理の手間を省き、事務作業の時間を3分の1ほどに削減できた。課題管理とガントチャートが連携しているので、別途工程表を用意する手間もなくなり、ベンダー側の負担も軽減できた。ベンダーと直接Backlog上でやり取りをすることで、メールの情報整理や探索に費やす時間も劇的に減ったという。
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次回の記事では、Backlogによる実際のタスク管理方法を、Backlogの使い方を交えて具体的に紹介する。