データ保護問題に対するリスクマネジメントを徹底すべし
以上が発表の概要だが、今回このサービスに注目したのは、情報漏えい防止をはじめとしたデータ保護がDX(デジタルトランスフォーメーション)時代を迎えてますます重要な問題となってくるのは必然だと考えるからだ。従って、セキュリティベンダーの間でもそれぞれのソリューションを打ち出し、激しい顧客獲得合戦が繰り広げられるだろう。
パロアルトネットワークスではEnterprise DLPの優位性について、「従来のポイント型DLPサービスは、多くの企業において利用しづらく、適切かつ効果的ではない。これに対し、Enterprise DLPは導入が容易で、追加のインフラストラクチャを必要とせず、既存のセキュリティ技術と統合でき、クラウドやオンプレミスなどデータの保存場所を問わず、さまざまな企業の方針に適用できる」としている。
また、同サービスの発表とは別に、サイバー脅威における2020年の振り返りと2021年の予測についてオンラインで記者説明会を開いたパロアルトネットワークス 日本担当最高セキュリティ責任者(フィールドCSO)の林薫氏は、2021年の予測について次のように述べた。(写真1)
写真1:パロアルトネットワークス 日本担当最高セキュリティ責任者の林薫氏
「今後、企業においてDXの取り組みが広がっていけば、当然セキュリティリスクも高まる。機密情報の漏えいによって大きな被害を受ける企業が増加する可能性は大いにある。経営陣が責任をとって辞任する事態も頻繁に起こりかねない。それを防ぐためにも、リスクマネジメントの徹底が必要となる」
筆者も全く同感だ。来る2021年、DXが広がると見られる中で、どの企業も改めて足元をしっかりと見つめ直して前進していただきたい。