Camenzuli氏は、2021年になっても引き続き心身の健康に焦点が当てられるだろうが、話はテクノジーだけで済まなくなると述べ、「共感力が高く、人間味のあるリーダーシップが鍵となる。企業は従業員の健康を真に気遣うという点からリーダーや業務マネージャーの役割について熟考する必要があり、それを組織の文化に浸透させなければならない」と続けた。
アジャイルな企業がフリーランサーの真価を解するようになる
フリーランサーと潜在的な雇用者を結びつけるウェブサイトを運営するUpworkのチーフエコノミストであるAdam Ozimek氏は、リモートワークがワークフォースの地理的な分布に影響を及ぼす可能性を指摘した。実際、分析によってその兆候が示されている。Upworkの最近の調査では、米国世帯の6.5%が在宅勤務による柔軟性の向上を理由として、他の地域への引っ越しを計画していると回答している。
Ozimek氏によると、企業はリモートワークに寛容な姿勢を示すようになるとともに、遠隔地のフリーランサーと仕事をする際の潜在的な懸念の1つを乗り越えつつあるという。先行き不透明な時代においてもアジリティーが優先事項であり続けるであろう中、作業単位で人材を雇用するという選択肢は、フルタイムの従業員を雇用して定期的に給与を支払うよりも魅力的なものに映るはずだ。
Ozimek氏は米ZDNetに対して、「COVID-19のパンデミックが発生して以来、Upworkのようなマーケットプレイスで遠隔地のフリーランサーを雇用するという需要が大幅に増加している」と述べた。
「雇用責任者は、自社のチームに対する考え方を拡大しつつある。その結果、独立系の人材に対するこの種の需要は2021年も続いていくと私は考えている」(Ozimek氏)
スキルの再獲得、スキルの向上、役割の統合
多くの組織は、COVID-19のパンデミックによって引き起こされたオフィス勤務から在宅勤務への切り替えによって、デジタル化という、生き残りを賭けた野望の実現に向けて加速を余儀なくされた。企業が自動化やサイバーセキュリティ、クラウド、機械学習(ML)の新たな能力の活用に本腰を入れ始めようとする中、新興テクノロジースキルに対する需要が急激に高まった。
McKinsey Global Institute(MGI)のパートナーであるAnu Madgavkar氏によると、組織は2021年に、必要となるスキルを単一の「極めて特化した役割」、すなわち複数のビジネスプロセスを遠隔地から遂行できるようにするための役割へと整理する方法について考え始めるようになるという。これにより、作業担当者に対して職務全体の再訓練を実施せずとも、特定の専門領域におけるスキルの再教育や向上が可能になることで、新たなテクノロジー駆動型ワークフォースによる雇用機会の向上と、職務の流動性を実現できるようになる。