Torvalds氏は、そう考えているのは同氏だけではないと付け加えた上で、「私の言うことが信じられないのであれば、Intelとメモリーメーカーが何世代にもわたってロウハンマー(メモリーのセキュリティに対する攻撃)で悩まされ、そのたびに新たな世代の製品でどのように対応するのかという言い訳を述べてきた点に目を向けてほしい」と述べた。陰の声:「そして、この問題は依然として解消されていない」
Torvalds氏によると、その根本的原因は、「『コンシューマーはECCを必要としていない』という(Intelの)誤った、そして愚かな退行的ポリシーによって、ECCメモリー市場が消滅の危機に追いやられたこと」にほかならないという。
メモリーメーカーにも、その責任の一端がある。同氏は「メモリーメーカーは、経済的理由と低消費電力(への要求)が背景にあると主張している。だが、彼らはうそつきのろくでなしだ。ここでもう1度、ロウハンマーについて指摘しておきたい。この問題は既に数世代にわたって存在し続けているが、奴ら(Fワード)は何のためらいもなく中途半端なハードウェアをコンシューマーに販売し、その問題を『攻撃』だと主張してきたが、これは常に『手抜きをしている』ということにほかならない」と述べた。とは言うもののTorvalds氏によると、責任の大部分はIntelにあるという。同氏は「Intelがコンシューマーに問題をしわ寄せしてきた」と述べた。
これは目新しい問題ではない。Torvalds氏は「私が文字通り数十年にわたってこの点について不満を述べているのは(ここを見れば)分かるはずだ」と述べた。その上で同氏は、「私は『自らが正しかった』と言いたいのではない。この問題を修正してほしいのであり、ECCを必要としているのだ」と述べた。AMDは非公式ながらECCメモリーを「サポートするという選択をした。そしてIntelはしなかった」のだという。
メモリーの問題からプロセッサーに話を戻すと、Torvalds氏は「このところAMDを使っており、個人的にはとてもハッピーだ。以前の私は、恐ろしいブルドーザーコアを心の底から嫌悪していたが、AMDはRyzenシリーズと同社のチップレットアプローチでホームランを打ったと考えている。これによって、同社のコアに存在した問題が修正されただけでなく、チップレットによってプロセッサーのスケーラビリティーが向上するとともに、『2倍のコストで2倍の性能向上』に近付く製品を提供できるようになった」と述べた。
Torvalds氏は、Intelプロセッサー搭載ワークステーションを再び使う日がやってくると考えているのだろうか?その答えは、単にノーというのではなく、絶対にノーというものだろう。Torvalds氏は「ハイエンドデスクトップ(HEDT)向けプロセッサーとサーバー向けプロセッサー(Xeon)で異なったシリコンチップ(つまり法外な出費)を要求するIntelは、その現状をきっちりと是正しない限り私の選択肢になり得ない。私はこのフォーラムでおよそ20年にわたって彼らのECCに関するポリシーへの不満を述べてきている。これはいまいましいものからの脱却だ。というのも、Intelが最高の性能を提供しなくなったのであれば、それを使い続ける利点などまったくないためだ」と結論付けた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。