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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」
IT企業の年頭所感

“One Hitachi”で実りある1年に、変革は正念場--日立製作所・東原CEO

ZDNet Japan Staff

2021-01-08 08:00

 2021年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。

日立製作所 執行役社長兼CEO 東原敏昭氏

 皆さん、明けましておめでとうございます。社員とご家族の皆さんが、安全、健康で、そして実りの多い1年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

 さて2021年について、私が考えていることをお話したいと思います。2021年は、2020年から延期された東京オリンピック・パラリンピックや、同じくスライド開催となるドバイでの万国博覧会など、世界規模でのイベントの開催が予定されています。また例えば自動車の分野において、レベル3の自動運転が本格化するなど、社会のさらなる発展を感じさせる動きが顕在化してきており、大変ワクワクしています。

 一方で、マクロな環境としては、まずCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響は色濃く残らざるを得ないでしょう。リモートワーク中心の働き方などCOVID-19によって生じたさまざまな変化は、「新常態」として定着していくと感じます。そして、大国間の緊張関係など地政学的リスクも解消せず、われわれは常にアンテナを高くしてグローバルな経営を推進する必要があると思います。

 加えて、2021年にますます大きくクローズアップされるのは「脱炭素社会の構築」でしょう。日本政府も2050年までに「温暖化ガス排出量の実質ゼロ」を宣言し、米国の「パリ協定」復帰も確実視されています。11月に英国・グラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて、世界中で脱炭素社会実現に向けたさまざまな政策提言や国家レベルでの議論が行われると思います。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)も、ますます加速していくと考えられます。デジタル技術を最大限に活用して、持続可能な社会を実現していくことは、あらゆる地域において最優先の課題の一つとなっていくでしょう。

 こうした世界情勢を踏まえ、2021年は以下の三つの取り組みを加速したいと考えています。

 一つ目は、価値起点で新たな成長事業を作ることです。お客さまのニーズは、気候変動、COVID-19、先進国の高齢化などの影響により、大きく変化していますが、日立が注力すべきは「環境」「レジリエンス」「安心・安全」という価値だと思います。日立では、数年前からこうした変化に対応して、顧客協創というアプローチやその具体的な手法である「NEXPERIENCE」の実践などに取り組んできました。人々が求める価値が大きく変化する2021年こそ、お客さまが求める価値を起点とする新たな成長事業の創出を、今まで以上に加速させたいと思います。

 二つ目は、地域主導で社会イノベーション事業をつくることです。日立の強みは、ITだけではなくOT、つまり鉄道、電力、製薬、運輸などのさまざまな業界や業種の運用、制御の知識や技術を持っていることです。だからこそ、「デジタル技術を使って社会インフラをアップグレードする」「社会インフラをデジタルトランスフォーメーションする」社会イノベーション事業ができるのです。単なるITベンダーにはない、IT、OT、プロダクトを融合させた価値提供は、まさに日立の強みです。

 一方で、求められる価値やその背景となる社会課題は基本的に国や地域ごとに違うはずです。例えば、同じ鉄道事業者でも国によって提供するサービスや事業の範囲が異なり、関連する法規制なども異なるので、お客さまの課題や求める価値も異なります。また、乗客が鉄道に求める価値も文化や価値観によって変わってくると思います。こうした地域ごとに異なる価値に対応するために、各地域のフロント主導で社会イノベーションを起こしていく力を強化していきたいと考えています。

 ただし、全てが地域主導ではなく、例えば「Lumada」や基礎技術の研究開発、現在推進中のシェアードサービスなどはグローバル共通で取り組み、部分最適と全体最適のバランスを追求し、経営効率の向上を図っていきます。

 そして三つ目が、社員の皆さん一人ひとりにとって、今まで以上に働きがいのある職場をつくることです。価値起点の事業創出を進めるには、お客さまの課題、求める価値に共感し、利他の精神で事業に取り組む必要があります。そして、その結果お客さまやパートナー、上司や同僚の喜びや感謝の声を聴くことが、働く意義を感じ、次なる挑戦への活力を生み、また自分自身の成長につながるのだと思います。

 たとえ失敗して悔しい思いをしても、そこから学ぶことで、次の挑戦への糧を得れば、それも貴重な成長のプロセスであり、成長に向けた大きな一歩です。社員の皆さんが働きがいを感じ、自発的に挑戦する活力に満ちた職場は、日立がグローバルリーダーになるために、何よりも大事な基盤だと思います。そして、その皆さんの活力を、私も含めた事業責任者がお客さまや社会が求める方向に適切に導く、こうしたボトムアップとトップダウンのバランスを2021年も追求していきたいと考えています。

 以上、2021年の年頭に当たり、今私が考えていることをお話ししました。日立のグローバルリーダーへの変革を果たすためには、これからが正念場です。簡単な道筋ではありませんが、これまでわれわれがやり遂げてきたことを振り返れば、決してできないことではありません。私も、皆さんとよく対話をし、これからの方向性をしっかりと共有しながら、全力で改革に取り組みます。Hitachi Social Innovation is POWERING GOOD。“One Hitachi”で、実りある1年にしましょう。

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