アプリケーション解析ツールの変遷
ツールの世代が実現範囲と機能に密接に関わるため、選択の際にはしっかりポイントを押さえる必要がある。間違ったツールの選択は目的に沿った利用ができないためである。
第一世代
レガシーの文書化を手助けする。但し、作成される文書形式はレガシーである。ベテラン担当技術者向けのラン・ザ・ビジネス用のツールである。
第二世代
レガシーをレガシーのまま、可視化する。レガシー情報資産をリポジトリ化して、必要な情報を必要な時にレガシー文書イメージで取り出せるようにする。ベテラン担当技術者向けのラン・ザ・ビジネス用のツールである。
新世代
レガシーを近代的に活用しながら近代化(モダナイゼーション)をサポートする。
「Model View Controller(MVC)」というウェブフレームワークで一般的に取り入れられているアプリケーション設定を整理するための概念で情報資産をリポジトリ化し、近代化された機能で可視化、影響分析、資産評価できるようにする。
ラン・ザ・ビジネスでも非常に有効なツールだが、バリューアップに威力を発揮し、前向きなIT予算の使い方に貢献するものである。若い世代にも受け入れられやすい作りとなっており、後継者問題の解消に一役買っているのも特徴である。
この新世代こそ、ホワイトボックス化ソリューションであり、筆者の所属するジーアールソリューションズでは、Fresche SolutionsのIBM iアプリ解析ソフト「X-Analysis」をそう位置付けている。
ホワイトボックス化ソリューションの登場による影響
どこがレガシーなのか--誤解される「IBM i(AS/400)」の正体で紹介したが、IBM iのハードウェア、OS、ミドルウェア、フレームワークは既にモダナイゼーション済みである。閉鎖的もしくはブラックボックスでレガシーなのは
- 情報システム部の開発運用環境、手法
- ユーザーアプリケーション
である。
このレガシーに対応するホワイトボックスソリューションの登場でIBM i(AS/400)モダナイゼーションのプロセスや手法は大きく変わった。
ラン・ザ・ビジネスの作業を効率化し、できた時間でバリューアップの作業である現状を把握、進めることが可能となったのである。
次回は、「オフコンアプリは、まず健康診断せよ」と題し、ホワイトボックス化ソリューションを利用した現状把握の第一歩で実施する具体的な内容を示したいと思う。
(第2回は2月上旬にて掲載予定)

- 阿野 幸裕(あの ゆきひろ)
- ジーアールソリューションズ
- モダナイゼーション事業部長
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大学卒業後、トーメン情報システムズで、IBMメインフレーム、ミッドレンジコンピューター、UNIXなどのシステム開発を経験後、1995年よりSybaseやSASなどの外資系ソフトベンダーにてプリセールスエンジニアとして従事。
2020年4月から、その経験を生かし、ジーアールソリューションズに入社。以来、同社が独占販売権を持つカナダFresche solution社の製品を中核としたモダナイゼーション事業に参画している。