消費者の電話対応を行うコンタクトセンターは、あらゆる業種に欠かせない部門/部署である。電話の向こうから聞こえる消費者の声を認識/感情分析し、適切な対応を行うクラウドコンタクトセンター基盤を提供する日本アバイア、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、ジェネシス・ジャパンの3社に話を聞いた。
参加者
- 日本アバイア エンゲージメント・ソリューションセールス ソリューションスペシャリスト 幸崎真一氏
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン Amazon Connect Specialist 羽富健次氏
- ジェネシス・ジャパン ソリューション・コンサルティング本部 シニア・ソリューション・コンサルタント 福井康晃氏
- ZDNet Japan編集部 大場みのり(モデレーター)
日本アバイア エンゲージメント・ソリューションセールス ソリューションスペシャリスト 幸崎真一氏(右上)、アマゾン ウェブ サービス ジャパン Amazon Connect Specialist 羽富健次氏(中央下)、ジェネシス・ジャパン ソリューション・コンサルティング本部 シニア・ソリューション・コンサルタント 福井康晃氏(左上)。それぞれが知り合いということもあり、画面上で輪の作成を図った
――まずは各社が提供しているソリューションの特徴を教えてほしい。
幸崎氏:アバイアは音声を中心としたコンタクトセンター市場で大きなシェアを確立しているが、クラウドに対する顧客のニーズに合わせて、日本市場でもクラウドソリューションを投入するつもりだ。当社はパートナークラウドを経由してエンドユーザーに提供する方法と、当社自身が設備をハウジングし、プライベートクラウドとして提供する2つの方法を用いている。今後はパブリッククラウドも追加する予定だ。オンプレミスの場合は100~200席がターゲットだったが、パブリッククラウドを追加することで、数席規模でもリーズナブルな価格でソリューションが提供可能となる。加えて、グローバルではUC(ユニファイドコミュニケーション)も大きなシェアを獲得しているが、国内は強豪のプレーヤーが多い。オンライン会議システムも半導体メーカーNVIDIAの技術を用いた「Avaya Spaces」を提供している。バックグラウンドノイズを大きく削減し、同時に参加者60人の顔を映し出せる。
羽富氏:2018年12月から東京リージョンで「Amazon Connect」の提供を開始したが、現在はまだ2歳。まだまだひよっこなので、他ベンダーの胸を借りるつもりで取り組んでいる。当社は5つの特徴があり、1つ目は100%クラウド。サーバーなどを購入していただく必要はない。2つ目は使った分だけの従量課金型。なので、コンタクトセンターにありがちな繁忙期と閑散期を気にする必要がない。3つ目はコールフローを自ら作れる所。例えば自動対応なら、テキスト読み上げサービスの「Amazon Polly」などを組み合わせて開発できる。4つ目はウォールボードのように、自分たちが知りたい数値をリアルタイムで確認できる点。そして最後の5つ目はAmazonが自社に必要なサービスとして、Amazon Connectを開発していること。現在AWSのサービスは175個を超えるが、これらのサービスとAmazon Connectを組み合わせて利用できる。
福井氏:われわれは3つの製品を持っている。その中でも一押しなのが、「Genesys Cloud(旧PureCloud)」。オムニチャネル対応とオールインワン、そして毎週の機能アップが特徴だ。当社単体で全てを取りそろえるのは難しく、「餅は餅屋」ではないが、その道のナンバーワンソリューションと柔軟なパートナーシップを組むのがオールインワンという意味。機能はほぼそろっているため、足し算ではなく引き算で構築できるシステムだ。また、人工知能(AI)時代を見据えて強化する機能もそろい始めている。設定を内製化するツールも用意し、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)も豊富。Genesys CloudはInteractive Intelligence Groupを買収して構築しているため、買収前の稼働状況を含めると十分な実績を積んでいる。