座談会@ZDNet

2021年は、突貫工事の後始末へ--コンタクトセンター基盤のベンダー座談会(前編)

阿久津良和 大場みのり (編集部)

2021-02-01 07:00

 消費者の電話対応を行うコンタクトセンターは、あらゆる業種に欠かせない部門/部署である。電話の向こうから聞こえる消費者の声を認識/感情分析し、適切な対応を行うクラウドコンタクトセンター基盤を提供する日本アバイア、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、ジェネシス・ジャパンの3社に話を聞いた。

参加者

  • 日本アバイア エンゲージメント・ソリューションセールス ソリューションスペシャリスト 幸崎真一氏
  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン Amazon Connect Specialist 羽富健次氏
  • ジェネシス・ジャパン ソリューション・コンサルティング本部 シニア・ソリューション・コンサルタント 福井康晃氏
  • ZDNet Japan編集部 大場みのり(モデレーター)
日本アバイア エンゲージメント・ソリューションセールス ソリューションスペシャリスト 幸崎真一氏(右上)、アマゾン ウェブ サービス ジャパン Amazon Connect Specialist 羽富健次氏(中央下)、ジェネシス・ジャパン ソリューション・コンサルティング本部 シニア・ソリューション・コンサルタント 福井康晃氏(左上)。それぞれが知り合いということもあり、画面上で輪の作成を図った
日本アバイア エンゲージメント・ソリューションセールス ソリューションスペシャリスト 幸崎真一氏(右上)、アマゾン ウェブ サービス ジャパン Amazon Connect Specialist 羽富健次氏(中央下)、ジェネシス・ジャパン ソリューション・コンサルティング本部 シニア・ソリューション・コンサルタント 福井康晃氏(左上)。それぞれが知り合いということもあり、画面上で輪の作成を図った

――まずは各社が提供しているソリューションの特徴を教えてほしい。

幸崎氏:アバイアは音声を中心としたコンタクトセンター市場で大きなシェアを確立しているが、クラウドに対する顧客のニーズに合わせて、日本市場でもクラウドソリューションを投入するつもりだ。当社はパートナークラウドを経由してエンドユーザーに提供する方法と、当社自身が設備をハウジングし、プライベートクラウドとして提供する2つの方法を用いている。今後はパブリッククラウドも追加する予定だ。オンプレミスの場合は100~200席がターゲットだったが、パブリッククラウドを追加することで、数席規模でもリーズナブルな価格でソリューションが提供可能となる。加えて、グローバルではUC(ユニファイドコミュニケーション)も大きなシェアを獲得しているが、国内は強豪のプレーヤーが多い。オンライン会議システムも半導体メーカーNVIDIAの技術を用いた「Avaya Spaces」を提供している。バックグラウンドノイズを大きく削減し、同時に参加者60人の顔を映し出せる。

羽富氏:2018年12月から東京リージョンで「Amazon Connect」の提供を開始したが、現在はまだ2歳。まだまだひよっこなので、他ベンダーの胸を借りるつもりで取り組んでいる。当社は5つの特徴があり、1つ目は100%クラウド。サーバーなどを購入していただく必要はない。2つ目は使った分だけの従量課金型。なので、コンタクトセンターにありがちな繁忙期と閑散期を気にする必要がない。3つ目はコールフローを自ら作れる所。例えば自動対応なら、テキスト読み上げサービスの「Amazon Polly」などを組み合わせて開発できる。4つ目はウォールボードのように、自分たちが知りたい数値をリアルタイムで確認できる点。そして最後の5つ目はAmazonが自社に必要なサービスとして、Amazon Connectを開発していること。現在AWSのサービスは175個を超えるが、これらのサービスとAmazon Connectを組み合わせて利用できる。

福井氏:われわれは3つの製品を持っている。その中でも一押しなのが、「Genesys Cloud(旧PureCloud)」。オムニチャネル対応とオールインワン、そして毎週の機能アップが特徴だ。当社単体で全てを取りそろえるのは難しく、「餅は餅屋」ではないが、その道のナンバーワンソリューションと柔軟なパートナーシップを組むのがオールインワンという意味。機能はほぼそろっているため、足し算ではなく引き算で構築できるシステムだ。また、人工知能(AI)時代を見据えて強化する機能もそろい始めている。設定を内製化するツールも用意し、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)も豊富。Genesys CloudはInteractive Intelligence Groupを買収して構築しているため、買収前の稼働状況を含めると十分な実績を積んでいる。

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