本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
今日のポイント
- 新年の計は「年初」にあり?半導体株の好発進に注目
- 「グレートサイクル」と呼ばれる半導体業界の収益見通し
- 日本市場の半導体関連株も「押し目買いに分があり」
- 日本の半導体関連株、騰落率ランキングTOP10
これら4点について、楽天証券経済研究所チーフグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。
新年の計は「年初」にあり?半導体株の好発進に注目
新年の世界株高の中で、日経平均株価は約30年ぶり高値を更新した。とはいうものの、米国市場の長期金利上昇がいったん相場の上値を抑える可能性には要注意だ。先週実施された上院のジョージア州決選投票を経て、民主党が大統領府、下院議会、上院議会を実質支配する見通しとなった(トリプルブルー)。
コロナ禍で積み上げられた過剰流動性に、大規模財政出動期待が加わったことでリフレ期待(物価と景気の押し上げ観測)が浮上。米債市場で試算される期待インフレ率(Break Even Rate)は、約2年ぶり水準となる2.09%に上昇。10年国債利回りも1.15%に上昇した(11日)。
当面は、金利を低位に安定させたい金融当局(FRB)が、金利上昇を抑制するための追加緩和策やメッセージ(市場との対話)を打ち出すか否かが注目される。株式市場の総意(コンセンサス)である「金融緩和の長期化シナリオ」が崩れるなら、リスク資産の価格形成が影響を受ける可能性がある。
なお、新年の米国市場における物色変化に特徴も見られる。上記したリフレ期待を受け、年初来騰落率でバリュー株(景気敏感株)指数が優勢となる一方、グロース株指数が劣勢となっている。
こうした中、フィラデルフィア半導体株指数に象徴される半導体関連株が「好発進」を鮮明にしていることに注目したいと思う。
<図表1:新年の米国市場で半導体株が好発進>

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年1月13日)