商業施設やオフィスビルなど、現在1500の施設から清掃や警備、設備管理などを請け負うアイングは、UiPathのRPA(ロボティックプロセスオートメーション)プラットフォームを導入した。
導入後は、2週間程度を要していた見積書の作成が3、4日で終わるようになるなど、業務の効率化についての顕著な効果が見られ、省力化によって6人の人員を消毒サービスなどのコア業務へと配置転換するリソースシフトを実現している。さらに同社では、注文書に貼付する印紙の管理に関するルール変更などを実施し、RPAの利用を契機として人的オペレーションを含めた業務最適化の取り組みにもつなげている。
同社が導入したのは、開発ツール「UiPath Studio」や実行インスタンス「UiPath Robots」をはじめ、エンドツーエンドでの業務の自動化を支援する企業内コラボレーション製品「UiPath Automation Hub」、および業務手順を可視化することで対象業務の発見を支援する「Task Capture」の各製品。
UiPathの導入後、同社では、まずTask Captureを活用して現場業務の棚卸しを行い、業務プロセスの可視化を実施した。その後、全業務の中でも実施頻度が高く、RPAの適用で高い効果が望めるという理由から、清掃や警備などのスポット受注案件にかかわる見積書や注文書、受注書の作成・発行を行う一連の業務プロセスにRPAを適用した。
このプロセスは、基幹システムとワークフローツール、会計システムの3つのシステムにより賄われており、システムによる処理の間に人手の作業が介在することで、多くのロスが発生していた。このような取り組みによって省力化が進んだ結果、当該業務に携わる人員を11人から5人に減らし、コロナ禍で需要が爆発的に高まる消毒サービスなどの業務へと配置転換ができた。