ピュア・ストレージ・ジャパンは1月14日、新年度に向けた報道機関向け事業戦略説明会を開催した。なお、同社の会計年度は2月~翌年1月で、間もなく2021会計年度(FY21)が終了するというタイミングとなる。
説明を行なった同社の代表取締役社長の田中良幸氏は、まず「2020年のハイライト」として以下の9点を挙げた。
- コロナ禍においてもビジネスは堅調に成長
- ガートナーの2020年マジッククアドラントのプライマリーストレージアレイ部門でリーダーに位置付けられる
- サブスクリプションサービスにおいて顕著な伸び
- Pure as-a-Serviceサブスクリプションが好調
- Portworxの買収
- 「FlashArray//C」と「FlashBlade」が好調
- 大企業向けで継続的な売上成長
- 新エグゼクティブの就任(CRO、CPO)
- パンデミック収束時に向けての成長再加速への自信

ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏
簡単にまとめると、多くの企業が困難に直面したコロナ禍という状況下でも同社は順調に成長し、さらに従来は「オールフラッシュストレージ」という“特定の領域”におけるリーダー企業と位置付けれていたのが、オールフラッシュストレージが主流になりつつある現状を踏まえ、ストレージ市場全体で見てもやはりリーダー企業として位置付けられるまでに至った、ということになる。
また、Portworxはコンテナーベースのクラウドネイティブアプリケーション向けにKubernetesデータサービスプラットフォームを提供してきた企業。Kubernetesに関しては業界各社が「事実上の標準アプリケーションプラットフォーム」と見なして対応を強化する動きが顕著だが、Pure Storageとしてもこの動きに対応した形となる。
さらに、新たな経営幹部として最高収益責任者(CRO:Chief Revenue Officer、2020年11月4日付)と最高製品責任者(CPO:Chief Product Officer、2021年1月5日付)を新たに任命し、経営陣の体制強化を図った形だ。
次いで同氏は2021年の展望として、ビジネス関連としては以下の3点を挙げた。
- 環境およびソーシャル/ガバナンスがより重視される
- スピードが求められる
- 2020年の教訓を生かす

2021年のビジネス面での予測
さらに、テクノロジー予測として次の5点を挙げた。
- カスタマーエクスペリエンスがストレージ・アズ・ア・サービス市場における差別化要因に
- 2021年はコンテナーおよびKubernetesが主流に
- オブジェクトストレージがさらにスマートになるが、ファイルストレージが必要
- 2021年は分散型クラウド/エッジクラウドが本格的にスタートする年に
- 「サステナビリティー」がサプライチェーンのトレンドからビジネスにおける必須課題に

2021年のテクノロジー面での予測
同氏は、「カスタマーエクスペリエンスが最も重要」だと強調した上で、現在のパンデミックのような「予期せぬ出来事」が生じても、それに迅速に対応できるスピード感を持って常にカスタマーエクスペリエンスを担保続けることができるよう、ユーザー企業を支援していくことが同社の目指すところだとした。