紙だと10万円の損--freee、スマホで電子申告できるサービスを無料で提供

阿久津良和

2021-01-19 06:30

 freeeは1月18日、コロナ禍における非接触型確定申告を推進するためにスマホアプリで電子申告できるサービス「電子申告アプリ」の無償提供を開始した。「おうちでサクッと確定申告」が可能になるという。ICカード読み取り機能を備えたスマートフォンでマイナンバーカードを読み取り、「会計freee」で作成した申告書類を電子申告アプリ経由で申告できる。

 同社最高経営責任者(CEO)佐々木大輔氏は「(2021年は)紙で申告すると10万円損することを51%が知らない(2020年12月、freeeによる調査、n=1066)。持続化給付金やGo Toトラベルも課税対象。自宅から確定申告することを当たり前にしなければならない」と今回のサービスの意義を説明した。

(左から)freee プロダクトマネージャー 兼 公認会計士 高木悟氏、freee CEO 佐々木大輔氏、国税庁 個人課税課課長補佐 今井慶一郎氏
(左から)freee プロダクトマネージャー 兼 公認会計士 高木悟氏、freee CEO 佐々木大輔氏、国税庁 個人課税課課長補佐 今井慶一郎氏

“密”を避けて自宅から確定申告

 新たに7府県が加わり、11都府県に出された緊急事態宣言は、不要不急の外出自粛を強いている。だが、「国民の三大義務」の1つである納税は必要だ。

 以前は個人事業主が中心だった確定申告も、副業(収入が20万円以上)や仮想通貨の売買で利益を得た人も対象となり、その範囲はコロナ禍でも広がるだろう。

 しかし、税務署の確定申告相談所窓口は例年混雑し、“密”を避けることが難しい。国税庁が2020年6月に発表した数値によれば、2020年に確定申告を実施した人数は2204万人。また、税務署や臨時相談窓口に訪れた人数は約500万人におよぶ。

 さらに2021年(令和2年)の確定申告は青色申告の特別控除が変更されており、紙申請の控除額は55万円、電子申告の場合は65万円と10万円の開きがある。多様化する働き方とは裏腹に、給与所得者や事業所得者、公的年金収入者の間で開きがあることから今回是正されることとなった。

 だが、青色申告特別控除を受けるには、複式簿記での記帳や賃借対照表、損益計算書の添付に加え、電子帳簿保存もしくはe-Taxによる電子申告が必要となる。電子帳簿は煩雑な条件が重なるものの、e-Taxであれば利用者識別番号の取得や電子証明書を取得すれば、これからでも電子申告が間に合うことを背景に、freeeは自宅から確定申告可能なスマホアプリのリリースに至った。

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