これまでロジクールは小会議室向けの「MEETUP」、大会議室用の「Rally Plus」といったオンライン会議製品を提供してきたが、コロナ禍による対面会議の難しさからか、対昨年比3倍の成長を遂げたという。
その理由についてロジクール 執行役員 法人事業本部長 野村宜伸氏は「MEETUPとRally Plusが牽引してきたが、(3倍の成長率は)満足するレベルではない。日本市場は9割以上(のオンライン会議システム未導入の企業が)残っている。まだまだ成長できる分野」だと説明する。
ロジクール 執行役員 法人事業本部長 野村宜伸氏
また、Rally Plusの導入は「配線が少々複雑で、国内顧客のレイアウト変更要望に対して柔軟性が乏しかった」(野村氏)ことから、中会議室での利用を想定したRally BarとRally Miniの日本市場投入に至った。
Rally Barは横910mmに対して、Rally Bar Miniは横719mmと一回り小型。基本性能は共通しており、両者とも1秒間30フレームの4Kカメラを備えるが、Rally Barは15倍ズーム、Rally Bar Miniは4倍ズームとなる。
また、Rally BarとRally Bar Miniは、会議室内の明かりや色バランスを自動調整する技術である「RightLight」、雑音を抑制して音声の明瞭度を高める技術「RightSound」、会議室内の状態を持続的に認識し、人数を検出して参加者全員を自動的にフレーム内に収める「RightSight」を用いた「AIビューファインダー」をサポートしている。
デモンストレーションでは、他社同種の製品やサービスと比較しても遜色なく登壇者の移動に追従していた。ロジクールでは一連の技術を「RightSense」と称している。
Logitech International シニアディレクター Simon Dudley氏
左右に分かれるステレオスピーカーは独立させ、他の構造から分離した設計を採用。マイクも共通する性能を持ち、Logitech International シニアディレクターのSimon Dudley氏は「6本の無指向性デジタルMEMSマイクで、5つのアダプティブ音響ブロードサイドビームを作る高い指向性を実現。マイクの範囲は4.5メートルだが、アドオンマイクを机上や天井に設置するとよい」と説明した。なお、Rally Barは最大3台、Rally Bar Miniは最大2台までの追加マイクをサポートする。
アプライアンスとPCバンドルの相違点だが、アプライアンスはAndroidベースのロジクールTAPを使用し、PCバンドルは「(Rally Barが)コンピュートを内蔵しているため、PCを用意せずに単体で完結する」(ロジクール法人事業本部 マーケティング部 部長 横山大介氏)
ただし、PCバンドルの方が高性能で、アプライアンスは1画面720pにとどまるが、PCバンドルは2画面フルHDに対応。Rally BarとRally Bar Miniはオンライン会議としてZoomとTeamsをサポートしているが、前者はZoom Roomアカウント、後者はTeams Roomsアカウントが別途必要となる。