Tableau Softwareは1月20日、日本を含むアジア太平洋地域(APJ)を対象に実施した「組織のコロナ禍におけるデータ利活用についての意識調査」の結果を発表した。シンガポール、オーストラリア、インド、日本の4カ国で、中堅以上の管理職またはIT意志決定者2500人を対象にパンデミックにおけるデータの利用/活用について理解することを目的に実施されたもの。
まず、「自社がデータドリブンな組織であると思いますか?」という質問に対して、日本の回答者520人のうち51%が「データドリブン企業である」と回答した。なお、同社が定義する“データドリブン企業”とは、「データを大切にし、社員がデータにアクセスしてデータに基づいた経営判断ができるようにしている企業」だという。
日本企業の中で「自社がデータドリブンな組織である」と回答したのは51%。日本では自己評価を控えめにする傾向があることを考えると、データ活用に自信を持つ企業が増えていることが伺える
APJ 4カ国全体の平均は62%、ドイツ、オランダ、フランス、英国の4カ国では56%だといい、やや低い値となっているものの、それでも過半がデータドリブン企業であると答えているという結果となった。なお、業種別に見ると「コミュニケーション、メディア、テクノロジー」では68%なのに対し、「公共(パブリックセクター)」では46%にとどまっているという。
次いで、「データドリブンであることがパンデミック下で利点をもたらしているか?」という質問に対しては、日本のデータドリブン企業の75%が「データ利活用が圧倒的な優位性をもたらす」と回答した。解説を行った同社 カントリーマネージャーの佐藤豊氏はこの結果について「データドリブン組織は、よりレジリエンス(回復力)がある」と解釈している。
データドリブン企業であると自任する企業では、データの利用/活用がパンデミック下での企業活動に優位をもたらしていると考えている率が高く、データ活用を行っている企業ではデータ活用の価値についても高く評価していることが分かる
また、ゲストとして登壇した三井住友海上火災保険 デジタル戦略部業務プロセス改革チーム 課長の横山輝樹氏は同社でのデジタライゼーションの取り組みと、そこでのTableau活用の経緯について紹介、ユーザー育成のためのユーザー会結成などのコミュニティー活動の重要性について指摘した。
これを受けて佐藤氏は「データドリブンであること/デジタルに取り組むことが、今後のデータ時代において、またコロナ禍においてもいかに重要であるか」が分かるとした上で、「企業の資産としてのデータを全社レベルで活用するための取り組みは、まさしく2021年に全企業が取り組むべきことだと考えている」と指摘。
そのために必要なこととして「一部の社員だけではなく、全社員、全ての意志決定者がデータに基づいて意志決定し、変化を生み出せるようなデータカルチャーを作っていくこと」を挙げた。さらに同氏は「データカルチャーを作っていくための鍵になるのは経営者/リーダーだ」とした。
データドリブン企業となるためには人材育成が重要だという