本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
今日のポイント
- 株高続く:イスラエルでワクチンが効果を発揮し始めていることが希望の灯に
- 中国が世界景気の回復を先導
- サービス産業の回復が遅れる中、製造業の景況回復
- 年後半に、米景気過熱の可能性も
これら4点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
株高続く:イスラエルでワクチンが効果を発揮し始めていることが希望の灯に
1月第3週(1月18~22日)の日経平均は、1週間で112円上昇して2万8631円となった。30年7カ月ぶりの高値更新が続いている。年後半に、日米欧でワクチンの大量供給が実現して経済が正常化に向かう期待から、世界的に株が買われる流れが続いている。
英国や南アフリカ発の変異種が世界的に急拡大している不安はあるものの、ワクチン接種が世界最速で進むイスラエルで感染が収束に向かう兆しが出ていること(※注)もあり、ワクチンへの期待は高まりつつある。
イスラエルは、3月末までに17歳以上の全国民にワクチン接種を完了する計画だ。ワクチンが効果を持てば集団免疫が実現する可能性がある。イスラエルが集団免疫によって感染収束に向かう先例となれば、世界中にワクチン接種を急ぐ動きが広がると考えられる。欧米で主流のm-RNAワクチン接種について、当初心配されたほど副反応は出ていないことも、ワクチン接種に追い風だ。
日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2020年1月6日~2021年1月22日(外国人売買2021年1月15日まで)

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成。外国人の売買動向は、株式現物と日経平均先物の合計
ご覧いただくと分かる通り、日経平均の動きを決めているのは、いつも外国人投資家だ。2020年年初(2~3月)の急落は、外国人による巨額の売り越しによって起きた。2020年11月以降の急騰は、外国人の巨額の買い越しによって起きた。ただ、12月以降、外国人の買いの勢いは低下しつつある。