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SAPのCEOが回答--Microsoft Teamsの統合、「RISE with SAP」など

末岡洋子

2021-02-04 06:00

 SAPが顧客のビジネス変革支援策を1つのパッケージにした「RISE with SAP」を発表した。1年がかりで作成した製品で、「ビジネストランスフォーメーション・アズ・ア・サービス」と売り込む。SAPは併せて、ビジネスプロセスインテリジェンス(BPI)分野のベンチャーのSignavio買収、Microsoftとのコラボレーション分野での提携も発表した。最高経営責任者(CEO)のChristian Klein氏がこれらの発表に関して公開で質疑応答に臨んだ。

--RISE with SAPとは何か? なぜ、提供する必要があったのか?

 市場の流れを変えるゲームチェンジングな製品と位置付けている。技術とビジネスを結び付けることは簡単ではないが、これを実現するのがRISE with SAPだ。

 RISE with SAPは、SAP Business Technology Platformを土台に、SAP S/4 HANA Cloud、統合されたソリューションなどを動かすことができる。インフラはSAPのデータセンターでもいいし、ハイパースケーラー(Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloudなど)でもいい。SAPと契約し、われわれがジャーニー(導入~活用の流れ)を全体でサポートする。これらを全て結び付けて1つの製品とすることがポイントだ。クラウドインフラにマイグレーションするなど、一つ一つのテクニカルマイグレーションでは、ビジネス上の成果につながりにくいからだ。

SAP 最高経営責任者のChristian Klein氏
SAP 最高経営責任者のChristian Klein氏

 1年ほど前、顧客と同じ視点で、ビジネス変革において顧客が何を求めているのか、何に苦労しているのかを理解するために、顧客やアナリスト、パートナーと、幅広い人に聞き取りを重ねた。ビジネス変革で何が必要なのかを理解しようとするリーダーは少ない。貴重な意見を得られた。

 新型コロナウイルス感染症では、デジタル時代のビジネスモデル、ビジネスプロセスのレジリエンスや柔軟性が必要とされていることが明らかになった。顧客が最も苦労しているのは、ビジネスプロセスの文脈でどのように技術を適用するか、変化のマインドセットにするか――だ。(SAPでの)CEOを務める前は、COO(最高執行責任者)としてデジタルトランスフォーメーションを進めてきたので、顧客の悩みを理解できる。

 究極的に、どの顧客も目指しているのは「ビジネスを変革したい」「生産性を上げたい」「新しいビジネスモデルを導入したい」「サスティナブルになりたい」など同じだが、出発地点が異なる。RISE with SAPは、ITのランドスケープやビジネスプロセスの複雑性のレベルなどに違いがあっても、SAPが全面的に支援する製品となる。

--パートナーのメリットは?

 SAPは40万以上の顧客を抱え、われわれだけで全ての顧客に開発やサービスを提供することはできない。顧客はインフラを自由に選択できるし、その上のプラットフォームでも拡張などが必要になるだろう。しっかりとしたエコシステムが必要で、RISE with SAPは、これまでの製品で最もパートナーと親和性が高いと見ている。

 再販事業者もRISE with SAPを提供できる。中規模企業など、新規開拓に役立つオファーになるだろう。サービス面でも、マイグレーションや実装などのニーズがある。

--Signavioの買収の目的は?

 Signavioは、BPI分野のリーダーだ。Signavio買収により、SAPはこの分野の最大のベンダーになる。Signavioのプロセスインテリジェンス技術とSAPのジネスプロセス技術を組み合わせることで、プロセスの設計や分析から、SAPのワークフロー、人工知能、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)など、プラットフォームサービスの統合までエンドツーエンドのBPIレイヤーを提供できる。

 ビジネスプロセスは、クラウドマイグレーションのようなものとは異なり、市場やビジネスの変化に合わせて、常に見直し、変化させる必要がある。このレイヤーは重要な差別化になる。

--RISE with SAPでは、S/4 HANA Cloudが中核になるが、SAPはオンプレミスの提供をやめて100%クラウドベンダーに転身するのか?

 ノーだ。SAPはこれまでも、これからも顧客に選択肢を提供する。

 だが、市場の方向性も認識しなければならない。SAP Business Technology Platformには多数のAPIがあり、ハイブリッドモデルも可能だ。S/4 HANAをオンプレミスで動かしたいのなら問題なくできる。それでも、多くの業界でビジネス変革はクラウドに移行することにより、さらなるメリットを得られることも付け加えたい。

 RISE with SAPによってマイグレーションはさらに円滑になる。技術だけではなく、ビジネス変革に必要な全ての要素をサポートする。

--Microsoftと提携し、「Microsoft Teams」を製品に統合すると発表した。

 9カ月ほど前、Microsoft CEOのSatya Nadella氏と、業界をリードするビジネスコラボレーションと、業界をリードする業務アプリケーションが組み合わさることは意味をなす、という話になった。

 分析したところ、80%のビジネスコミュニティーがSAPとMicrosoftの製品を使っていることが分かった。TeamsとSAPを統合して提供することは、全てのビジネスユーザーに生産性改善などのメリットをもたらすだろう。

 この提携のもとでS/4 HANAへの統合を進めていく。2021年第2四半期に最初のシナリオを提供できる計画だ。営業、人材管理、調達などのシナリオを考えており、今後数週間で統合のロードマップを公開する。なお、Azure側ではこれまで通り、選択肢の1つだ。

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