どこに住んでいるか、男性か女性か、何歳であるかなどの属性が集まっても、そのデータ自体ではアクションがつなげられないという。属性よりも「いい写真を撮りたい」「メガネの新しいレンズが欲しい」「旅行したい」という興味のデータを利用することで、より顧客体験に紐付いたアクションが実現できるということだ。
アドビが提供する顧客体験管理(Customer eXperience Management:CXM)プラットフォームであるExperience Platformは、「(顧客との)コミュニケーション手法も管理するプラットフォーム」(安西氏)という。2009年10月にOmnitureを買収し、2018年5月にはMagento、同年9月にはMarketoを買収する形で自社ソリューション化しているが、CXM基盤の上にマーケティング機能を提供するサービス層が乗る。
オムニチャネルの顧客行動を可視化する「Customer Journey Analytics」、データをリアルタイムに連携する「Real-time CDP(Customer Data Platform)」、オムニチャネルのコミュニケーションフローを設計する「Journey Orchestration」に加えて、チャネル横断でパーソナライズしたコンテンツを提供する機能であるOffer Decisioningが加わった。
安西氏は「企業の課題だったオムニチャネルのコミュニケーションを実現するため、MA(マーケティングオートメーション)ツールやウェブのパーソナライズツールを個別に利用していた。Offer Decisioningを使うことで、コンテンツ提供を一括管理し、次世代の顧客体験を提供できる」とOffer Decisioningの概要を説明する。
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これまでデータ収集がウェブやモバイルなどプラットフォームで異なっていたSDKから、アドビが提供する新たなSDKを用いることで、データをExperience Platform Edge Networkに収集し、Experience Platformをはじめとする同社マーケティング系ソリューションで利用可能にしてきた。Launch Server Sideは、収集データの利用範囲をアドビ以外の製品やサービスに開放するオプションである。