出張/経費管理クラウドを提供するコンカーは2月10日、請求書の電子化に関する調査結果を交えながら、デジタル化で請求書業務の改革を目指す「デジタルインボイス構想」を発表した。それに伴い同日、記者会見が開催された。
デジタルインボイス構想では、パートナーシップを推進する。その第1弾として、請求書管理を行う「Concur Invoice」が、インフォマートのクラウド請求書サービス「BtoBプラットフォーム 請求書」、LINEの人工知能(AI)文字認証技術「CLOVA OCR(請求書特化型)」とそれぞれ連携する。
コンカーは、紙の請求書が経理部門のリモートワークを妨げていると指摘する。特に事務用品や雑貨などの間接材は、仕入れ先や品目の数が多いといった理由から、デジタル化が進んでいないとのことだ。
請求書の電子化に関する調査は2020年12月22日~2021年1月18日、日本CFO(最高財務責任者)協会の会員を主体とした企業の財務幹部を対象に実施し、455件の有効回答を得た。
同調査によると、「リモートワークが推奨される状況で、請求書業務を理由に出社したことはあるか」という質問に対し、回答者の43%が「多くあった」、32%が「しばしばあった」とした。また、「受領する請求書はどれぐらいの割合でデジタル化されているか」という問いには、50%が「10%未満」、11%が「20%未満」、13%が「30%未満」となっており、7割以上の企業においてデジタル化されている請求書が3割に満たないと分かった。
一方、「デジタル化された請求書の割合が10%未満」と回答した企業で在宅勤務を実施しているのは20%程度なのに対し、「デジタル化された請求書の割合が70~90%未満」と答えた企業では60%近くが在宅勤務を行っていた(図1参照)。そのためコンカーでは、請求書のデジタル化と在宅勤務の実施には強い相関関係があるとしている。
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こうした調査結果を受けて、同社はデジタルインボイス構想の普及を目指している。請求書がアナログのままだと、リモートワークのほか、「入力に工数がかかる」「不正に気付きにくい」など、生産性やガバナンスにも弊害がある。そのため同構想ではデジタル化により、入力の自動化やデータ分析による不正の検出なども実現していく。