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内山悟志「デジタルジャーニーの歩き方」

デジタル時代の組織カルチャーを手に入れるための施策(1)

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2021-02-17 06:00

 前回は、デジタル時代に適合した組織カルチャーの6つの要件について述べました。今回は、そのような組織カルチャーを手に入れるために企業が実践すべき施策を紹介します。

組織カルチャー変革に向けた5つの施策

 「組織カルチャー」は「仕事のやり方」であるとするならば、それを変えるためには「仕事のやり方」を支えている「仕組み」を変えることが有効なアプローチとなるはずです。企業で活用されるITは、これまでも仕事のやり方を変えるための仕組みを提供してきましたが、さらにデジタルを前提としたものに抜本的に変更するには、5つの施策が考えられます(図1)。

 1つ目は意識に関わる施策です。デジタル時代に適合した組織カルチャーを手に入れるためには、まず経営者を含む全社員のデジタル技術に対する感度を高めなければなりません。デジタル技術への感度は、ITに関する知識やPCなどの操作スキルを指しているのではありません。デジタル化がもたらす本質的な価値と無限に広がる可能性について正しく理解し、自ら興味を持って積極的に向き合う姿勢を意味します。

 2つ目は制度に関わる施策です。企業には、さまざまな社内規定や制度があります。それらは、企業を適正に統治し、従来の事業を円滑に推進するために作られてきましたが、DX(デジタル変革)の推進において必ずしも有効であるとは限りません。DXを促進させる制度の新規採用と、阻害する既存社内制度の緩和の両面で変革が求められます。

 3つ目は業務に関わる施策です。企業の業務には、新しい製品やサービス、顧客体験、需要を生み出すような「付加価値業務」と、その価値を確実に生産したり、届けたり、それらを管理したりする「オペレーション業務」があります。まずは、オペレーション業務の徹底的な自動化・省力化によって時間的余力を創出し、付加価値業務に振り向けます。そして、オペレーション業務と付加価値業務の両方に対して、デジタル技術やデータを活用して品質や精度を高め、アウトプットを最大化します。

 次に、組織カルチャーに大きな影響を及ぼす意思決定のメカニズムを変革することです。企業の意思決定には、新規の取り組みや投資を伴う大きな意思決定と、日々の事業活動の中で行われる小さな意思決定の2つのタイプがあります。

 4つ目の施策は、大きな意思決定を民主化する仕組みと、小さな意思決定を自動化する仕組みを構築することです。5つ目の施策は、人材に関わる施策です。誰もがモチベーションを持って、挑戦したり活躍したりできるように、個人の役割や目標、それに対する成果と貢献を見える化する仕組みを持つことです。

図1.組織カルチャー変革に向けた5つの施策 図1.組織カルチャー変革に向けた5つの施策
※クリックすると拡大画像が見られます

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