日本オラクルは2月12日、記者会見を開催。“コンバージドデータベース(集約型データベース)”製品戦略と、2020年12月からIaaS「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で提供を開始した「Oracle Database(DB) 21c」の概要を説明した。

日本オラクル 執行役 社長 三澤智光氏
Oracle DB 21cは216を数える新機能や機能強化を実現しているが、同社 執行役 社長 三澤智光氏は特徴的な新機能として、「ブロックチェーン機能を加えた。SQL I/Fで改竄されていないことを証明するアプリケーションを開発できる。この機能をクラウド、オンプレミスで提供できるDBメーカーはわれわれだけ」と主張。今後はLinuxやWindowsを対象にしたオンプレミス版も提供も予定している。
「目的別DBはナンセンス」
2009年9月にリリースしたOracle DB 11gから最新版となるOracle DB 21cまでを足し合わせると、約11年間で1300以上の新機能と機能強化を施してきた。下記に示した図はOracle DB 21cの主な新機能だが、三澤氏は「開発者はわがまま。好みの言語で開発したい。Oracle Cloud内部でJavaScriptコードの実行を可能にした」とOracle DB 21cの特長を説明する。
Oracle DB 21cはMLE(Multilingual Engine)の実装を通じて、JavaScriptのデータ型とOracle DBのデータ型両者を自動マッピングし、組み込みモジュールを介したSQLやPL/SQLの実行を可能にしている。また、以前(Oracle DB 12c)からJSONをサポートしているが、ネイティブデータ型JSONの提供によるサポート強化を図った。JSONをバイナリー形式で保持することで読み取り時は最大10倍、更新時は最大4倍の高速化を実現しているという。
図に含まれない新機能としては、WHEREやHAVINGといった問い合わせ述語に基づいたゾーンマップの自動作成、既存DB上のデータを用いた予測モデルの構築、ストレージの最適化に伴うグラフをモデル化する際のパフォーマンスを向上させた。

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三澤氏はOracle DB 21cについて「スマートデータベース」と表現。一般的な目的別DBは用途に応じたDBが乱立し、それぞれに異なる開発手法や運用管理、可用性が求められるため、DBを参照する「アプリケーションやシステムからすれば、目的別DBはナンセンス」だと三澤氏は主張する。