他方でスマートデータベースを第2世代DB基盤と位置付け、以下のようにスマートデータベースの重要性を強調した。
「業務データを扱う際はフラグメント(断片化)したDBにアクセスしなければならない。フロントオフィスは売り上げの最大化を目的に高度な顧客体験を実現するため、IT部門は効率的なデータを扱う環境を用意する必要がある。バックオフィスもTCO(総所有コスト)の最適化とデータからの洞察を見極めるため、IT部門はIT基盤の効率化とともにAI(人工知能)や機械学習環境が用意しなければならない」(三澤氏)
同様に開発部門と運用管理を担うIT部門、クラウド実行基盤の利点などを例に出しつつ、Oracle DB 21cの優位性を指し示した。
日本オラクルは複数の種類とデータモデルに対して、クロスモデルやモデル固有のアクセスをサポートする「マルチモデル」、DBの統合や分離、俊敏性を実現するコンテナ技術を用いた「マルチテナント」、単独または連携して動作し、各種DBに対するジョブの性能を向上させる「マルチワークロード」の3つを集約させたDBをコンバージドDBと称している。
日本オラクル 常務執行役員 テクノロジー事業戦略統括 竹爪慎治氏
日本オラクル 常務執行役員 テクノロジー事業戦略統括 竹爪慎治氏は目的別DBとの相違点について「Exadata基盤を使っているのでパフォーマンスは同等。コンバージド化によるボトルネックは生じていない」と説明した。また、三澤氏も自身の造語「エンジニアドクラウド」を用いて、「OCIで動作するOracle Databaseは(データを)100%暗号化し、性能面は絶対の自信を持っている」と語る。
また、旧版からの移行についても三澤氏は「ミッションクリティカル環境はサポート期間が重要。そのような顧客にはOracle DB 19cを推奨してきた。Oracle DB 21cが持つ新機能から需要があるものは、Oracle DB 19cへのバックポートを予定している」と述べた。