どのようなキャリアであっても、一部のスキルは他のスキルと比べるとより良い職に就く上で有利だ。これは開発者についても言えることだ。IBMによると、採用面接の場で真の違いを生み出す能力が1つある。クラウドの基盤を支えるオープンソーステクノロジーを生み出せる開発者は、今のところ最も企業から採用連絡をもらいやすい人材だという。
同社が最近公開した調査結果によると、オープンソースのクラウドテクノロジーに関するスキルを身に付けた開発者は、高い給与、かつよりプロフェッショナルな機会を得やすいという。このため、特定ベンダーのクラウドに関する能力に力を注ぐのではなく、こういったクラウドで採用されているオープンソースソフトウェアに関するスキルの習得を目指すようIBMは推奨している。
IBMは2020年に、広範な業界のさまざまな規模の企業における3400人以上の開発者とテクノロジーマネージャーを対象にした調査の実施をO'Reilly Mediaに依頼した。その結果は明白だった。クラウドがベースにしているオープンソーステクノロジー(Linux、Kubernetes、Istioなど)に関するスキルを好感しているのは回答者の65%に及んでおり、特定のクラウドプラットフォーム(Amazon Web Services、Azure、Googleなど)に関連するスキルを好感しているのは35%にすぎなかったという。
IBMが最近公開した調査結果によると、オープンソースのクラウドテクノロジーに関するスキルを身に付けた開発者は、高い給与、かつよりプロフェッショナルな機会を得やすいという。
提供:IBM/O'Reilly Media
実際のところ、プロプライエタリーなソフトウェアの知識は、オープンソーステクノロジーの知識に比べると一段低く捉えられているようだ。回答者の10人中9人以上(94%)はオープンソースソフトウェアのスキルがプロプライエタリーソフトウェアのスキルと同等かそれ以上だと評価しており、回答者の過半数(54%)は単一のクラウドプロバイダーに特化したクラウドコンピューティングスキルの学習によって、プロフェッショナルとしての成長に制約が加わると回答している。
クラウドテクノロジーとオープンソースソフトウェアはここ20年にわたり、二人三脚で歩んできた。その理由には、2つのテクノロジーが補完的に機能するということもある。企業はベンダーロックインのリスクを避けようとしているため、マルチクラウド/ハイブリッドクラウドサービスに向かう流れが必然的に増えてきている。多くのケースにおいて、単一ベンダーが提供するプロプライエタリーなツールではなく、どこででも実行できるオープンソースソフトウェアに頼る方がはるかに理にかなっているはずだ。
IBMが以前に公開した調査結果には、一般的な企業は複数のベンダーから8つ近くのクラウドを利用しており、ハイブリッドクラウドの採用が向こう3年で47%成長するという予測が記されている。また、ほとんどの企業は柔軟なITインフラを構築するために、オープンソーステクノロジーに基づくオープンなクラウドアプローチを採用するという。