セルフサービスで解決できない時は人間が対応--東京電力の顧客満足度向上の実際 - (page 2)

阿久津良和

2021-02-19 06:45

 現在、東京電力エナジーパートナーは各チャネルでZendeskを活用している。顧客がFAQを検索するとWatsonの「Watson Discovery」のAPIを呼び出し、検索キーワードの意図に対して関連性の高いFAQを返すことで、月間100万回の閲覧があるFAQの検索結果を大きく改善。検索結果ゼロ率を50%から10%まで減少させた。FAQに対する顧客満足度は「残念ながら現在は50%程度」(飯塚氏)

 この改善に取り組んだ同社はウェブサイトにフィードバックコメントを受け付けるフォームを作成し、その内容をリアルタイムにビジネスチャット「Slack」へ投稿。迅速な改善対応に努めている。さらに顧客向け、社内向け情報をZendeskで統合し、運用効率化を図った。Zendesk上に「役に立った」「関係なし」など利用者がフィードバックする仕組みを作成することで、検索精度の継続的向上を目指している。

 チャットチャネルでは、LINEとウィジェット形式のウェブチャットを導入。基本は「Watson Assistant」と連携したチャットボットが応答し、オペレーターの対応が必要な問い合わせはZendeskで切り替える。

 電気契約情報などを格納する基幹システムと両者を連携させることで、オペレーション効率は約2倍、顧客満足度は約1.3倍に向上したという。飯塚氏は「Zendeskのショートカットやマクロ機能を活用して効率化を実現」したと説明する。

 さらに顧客がスマートフォンなどディスプレイサイズが小さいデバイスを利用していることを想定し、応答分の短縮やざっくばらんなメッセージを用意することで、チャット1件あたりの処理時間を5%短縮した。

 また、オペレーターとマネージャー間のQ&A対応をSlackでリアルタイム化して、適切な回答を顧客に返す仕組みも導入している。コロナ禍で増加した問い合わせに対応するためチャットブースを100カ所追加した際も、Zendeskのマクロやトリガーを活用することでバックオフィスなどの煩雑な対応を簡略化した。

 前述の通り、電話受付窓口はAmazon Connectに切り替えている。「ZendeskとAmazon Connectのソフトフォンを連携させ、自動応答情報をオペレーターへ引き継ぐ」(飯塚氏)ことで電話受け付けの効率化を目指している最中だ。数値的な結果は出ていないものの、オペレーターの業務負担軽減に寄与すると期待できる。

 飯塚氏はスムーズに新システムへ業務移行するポイントとして、「既存環境と切り離して新しい環境を構築し、業務を切り出して段階的に移行。そしてリリース後も柔軟に変更する」の3点を意識することを推奨した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]