リモートワークの課題とチャンス--改善へとつながる6つの変化 - (page 3)

Owen Hughes (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2021-02-22 07:30

適切なツールはクラウド上にある可能性も

 クラウドインフラストラクチャーの利用はこの12カ月間で大幅に増加している。Canalysが先ごろ実施した調査で、クラウドサービス業界における直近の四半期の売上高が399億ドルに達したことが明らかになった。

 これは意外なことではない。結局のところ、リモートワークはクラウドに依存しており、クラウドベースのアプローチが今後のリモート/ハイブリッドワークプレイスのモデルの中心になるだろう。何より、企業はクラウドがもたらす柔軟性によって、新たな状況に迅速に対応できる。

 クラウドインフラストラクチャーは、従業員や開発者のニーズに応じて簡単かつ確実にスケールアップやスケールダウンができるため、変革と新しいサービスのプロビジョニングにさらに注力できる、とRed HatのEMEA担当シニアソリューションアーキテクトのErica Langhi氏は語る。

 「パンデミックの前にクラウドベースのシステムを導入していた企業は、リモートワークに円滑に移行できた。前例のない変化に非常に対応しやすい状況にあった。これは、開発者がオフィスにいるときと同じように自宅で働き続けることができ、生産性への影響がなかったからだ」とLanghi氏は述べた。

 クラウドやハイブリッドインフラストラクチャーでリモートワークをしている開発チームが追加で採用するツールや、文化的な変化について検討する際は、基本的な電子メールアプリやビデオ会議アプリに加えて、ブレインストーミングセッションやチーム間でのアイデア共有を容易にするホワイトボードなど、追加のコラボレーションツールに目を向けることが重要だ、とLanghi氏。

 「活動やタイムラインの追跡が難しい場合もある。かんばんのような手法を使用すれば、活動の流れを視覚化して、分散したチームの潜在的なボトルネックを特定できる可能性がある」。同氏はさらにこう語った。

 「グループメッセージングシステムは、リモート開発者のつながりと帰属意識を維持するのに役立っている。仕事だけでなく私生活についても話し合える手段として機能しており、リモート環境には存在しない対面でのやりとりを補完している」

サイバーセキュリティの脅威を忘れてはならない

 サイバー犯罪者は、COVID-19をめぐる状況と、リモートワークによって生じる新たなセキュリティリスクを繰り返し利用している。特に悪用されているのが、従業員側のリスクだ。

 Barracuda Networksのインターナショナルセールス担当シニアバイスプレジデントであるChris Ross氏は、企業があらゆるものとすべての人を大急ぎでリモートワークに対応させる中で、安全なセキュリティ慣行の維持というステップが見落とされてしまった可能性がある、と述べた。

 Ross氏は米TechRepublicに対して次のように語った。「在宅勤務の従業員が増えると、保護された企業ネットワークの外側からリモート接続するデバイスが増える。データが企業の管理下から急速に離れていく中で、リモートワーカーがそのデータを使って何をしているのかを把握するとともに、『ニューノーマル』を見直してセキュリティを強化することが重要だ」

 Barracuda Networksは、企業が直面している脅威が電子メールだけで13種類あることを確認した。それらの脅威とは、スパム、マルウェア、データの抜き取り、詐欺、URLフィッシング、スピアフィッシング、ドメインのなりすまし、ブランドのなりすまし、恐喝、ビジネスメール詐欺(BEC)、会話の乗っ取り、ラテラルフィッシング、アカウントの乗っ取りだ。

 攻撃の種類が非常に多いため、送信ドメイン認証技術「DMARC」(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)をセットアップして、ハッカーの侵入を阻止する必要がある、とRoss氏は述べた。

 高度な電子メールセキュリティは、多忙な従業員や被害を受けやすい従業員を標的とした悪意あるコンテンツのブロックにも極めて有効だ。ただし、エンドユーザーの教育も同じくらい重要だろう。Ross氏は、教育が「健全なサイバーセキュリティ戦略の重要な要素」だと指摘する。

 リモートワーク環境では、機密データを監視することも極めて難しい。従業員がセキュリティ対策を怠っていても、マネージャーは気づけないだろう。

 そのため、クラウドベースのデータバックアップソリューションがかつてないほど重要になっている、とRoss氏は語る。「新しいワークフローによって生成されるビジネスコミュニケーションと企業データをすべて保護する必要がある。サードパーティーのクラウドバックアップソリューションを利用して重要なファイルを保存することで、ファイルの削除やデータの消失を防げるだろう」。Ross氏はこのように述べた。

 「しかし、何より重要なのは、ネットワーク障害や高度なランサムウェア攻撃が発生した場合にビジネスを保護できることだ。そうした問題の発生頻度と影響は増大している」

仕事の未来はリモートワークだ。では、企業はどうすればそれを成功させることができるのか。提供:iStock/shironosov
仕事の未来はリモートワークだ。では、企業はどうすればそれを成功させることができるのか。
提供:iStock/shironosov

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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