日立、災害状況をAIで把握する映像解析の基礎技術を開発

NO BUDGET

2021-02-25 07:00

 日立製作所(日立)は、ドローンやヘリコプターによる空撮映像から、災害状況を高精度に解析する人工知能(AI)を開発した。

 災害発生時、人がすぐにはたどり着けない現場の状況を、迅速かつ容易に詳しく把握することが可能となる。なお、この技術はアメリカ国立標準技術研究所が主催する映像解析のワークショップ「TRECVID (TREC Video Retrieval Evaluation) 2020」で、災害映像解析のタスクであるDSDI(Disaster Scene Description and Indexing)において、全17チーム参加の中、外部データを使用しないチームでのトップレベルの認識精度を達成した。

 DSDIでは、大量のテストデータが、浸水家屋、橋梁倒壊、地滑り、がれきの山といった、どの災害状況に当てはまるかの度合いをランキング付けして予測する。予測したランキングと正解のランキングとの比較で、AIの認識精度が評価される。

 今回開発した技術の長所は、映像内に映るものが複数でもそれらを同時に精度良く認識できる、広範囲を撮影した映像の中から、人が見つけにくい小さなものを見つけられる、学習サンプル数が少なく、AIに教えることが困難な災害状況に対しても高精度で認識できる、見逃し/誤分類などの誤った情報を多く含む学習サンプルに対応したAI学習手法によって、人でも判断が難しい災害状況の誤認識や見逃しを減らすことができる、という4つだとしている。

 従来、空撮映像から災害状況を解析する場合、災害によっては学習データ数が少なく、認識精度に影響が出るという課題がある。また広範囲を撮影した映像では、特定したいものが非常に小さく映っていたり、さまざまなものや災害状況が同時に映っていたりすることがあり、そうした場合は起きている状況を正しく認識することが困難だった。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]