現地時間1月21日、米国のJoe Biden大統領は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行と将来の重大な公衆衛生上の脅威に対抗するための大統領令に署名し、データを活用した新たなアプローチの構築を指示した。狙いは、データ主導の危機対応モデルを構築することで、連邦政府の有効性を飛躍的に高め、エビデンスに基づく、測定可能で情報に基づいた意思決定を促進することだ。
Joe Biden大統領
「エビデンスに基づく」?「測定可能で情報に基づいた意思決定」?それはまさに、現代の企業が目指しているものではないだろうか。バイデン大統領が署名した大統領令を理解し、データを活用した経営手法とのつながりを明らかにするために、データとアナリティクスの専門家であるAndy Cotgreave氏の手を借りて、経営にデータを取り入れようとしているビジネスリーダーが活用できるように、今回の大統領令を「翻訳」してみた。
Cotgreave氏は「The Big Book of Dashboards」の著者の1人で、Tableauのテクニカルエバンジェリストだ。同社のデータに関する週次のディスカッションシリーズ「If Data Could Talk」や、データ可視化に関して議論する「Chart Chat」では司会を務め、「Information Age」のコラムニストであり、2021年には「データIQが選ぶ最も影響力のあるデータ専門家100人」に選出された。15年を超える業界経験を持ち、ビジュアル分析の最新トレンドやデータディスカバリースキルの構築方法について、数千人に専門的な助言やアイデアを提供してきた第一線の専門家だ。
Andy Cotgreave氏
Cotgreave氏は、「Biden大統領の大統領令には企業が活用できる原則や方針が含まれている」と話した。Cotgreave氏の分析をもとに、データを重視する企業文化や経営の実現に通じるビジネスリーダー向けの5つの基本原則を紹介していこう。
1. データ主導の改革にはトップのリーダーシップが不可欠
大統領令:「アメリカ合衆国の憲法および法律により、大統領として付与された権限により、ここに以下の命令を発する」
ビジネスへのヒント:データトランスフォーメーションは組織全体の戦略的目標でなければならない。企業のリーダーは、この大統領令のように、データトランスフォーメーションを支持しているだろうか。
2. データによって十分に情報が得られれば、判断はより優れたものになる
大統領令:「第1項:方針。利用可能な最高の科学とデータに導かれた効果的なアプローチにより、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に対応することは、私の政権の方針である。ここにはより良い公衆衛生インフラへの再構築を図ることが含まれる。このより強力な公衆衛生インフラは、国家が国内外で将来の生物学的脅威を効果的に予防し、検知し、対応する助けとなるものでなければならない」