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急速に変化する購買行動--カスタマージャーニー分析で「デジタルマーケティングの最適解」を発見する

内野奈央子 (クニエ)

2021-03-08 07:00

サマリー

  • ユーザーの心理や行動を深く理解した上でカスタマージャーニーの仮説を作成したとしても、ユーザーは仮説通りには動かない。その原因としてまず考えられるのは「理想のカスタマージャーニーの実現を支える個々の施策の失敗」であるが、施策の失敗はカスタマージャーニーを具体的な施策へと落とし込む過程で発生する
  • さまざまなマーケティングプラットフォームのカスタマージャーニー分析機能を活用してカスタマージャーニーの仮説と実際にユーザーがたどったプロセスとのギャップを分析し、ジャーニーの実現を妨げる施策失敗の原因を特定することができるが、施策の企画実行には社内外の多くの協働者が関わっているため、連携に時間がかかり課題の解決がスピーディーに進まないことが多い
  • カスタマージャーニーを実現するには、マーケターが協働者に対して、カスタマージャーニー全体における個々の施策の位置付けや果たすべき役割を浸透させることが重要だが、そのためには、企業間コラボレーションによるカスタマージャーニーの運用を推奨する。複数の協働者のコラボレーションにより、スピーディーな課題解決や新たな施策のアイデアの発想へとつながる
  • コロナ禍の影響で急速に進むライフスタイルや購買行動の変化、行動変容なども、ユーザーがカスタマージャーニーの仮説通りに動かない原因として挙げられる。ユーザーの急速な変化に対応し、スピーディーかつ柔軟にデジタルマーケティングを実施するには、実際に購入に至ったユーザー個人のカスタマージャーニーを継続的に分析し、分析結果をもとに現在の戦略や施策を最適化するのが肝要である

はじめに

 ユーザーが商品を認知してから購入に至るまでの理想のプロセスをカスタマージャーニーとして描き、カスタマージャーニーを実現するためにさまざまな施策を検討し、それら全ての施策を実行したとしても、ユーザーはマーケターが作成したカスタマージャーニー通りには動かない。その原因は「コンテンツの内容がユーザーにとって分かりづらく、商品の理解促進につながらずに離脱を発生させてしまった」といったケースのように、個々の施策の失敗にある場合が多いが、施策の失敗はマーケターの作成したカスタマージャーニーが個々の施策の担当者に浸透していないことから発生する。

 デジタルマーケティングの戦略設計に位置するカスタマージャーニーは、通常企業のマーケターの主導によって作成され、カスタマージャーニーの実現を支える施策の担当者へと展開される。しかし個々の施策の企画や実行には社内外の多くの協働者が関わるため、マーケターが協働者に対してデジタルマーケティングの目的や個々の施策が果たすべき役割、達成すべき重要業績評価指標(KPI)を伝えたとしても、コミュニケーションの過程で発生する認識の相違や個々の施策にひも付くコンテンツを更新する過程でのチェック不足などが原因で、個々の施策が本来果たすはずの役割を見失い、その結果デジタルマーケティング戦略の一貫性が損なわれてしまう。そしてユーザーはマーケターが思い描いていたプロセス通りに行動しなくなってしまう。

 カスタマージャーニーの理想と現実の間のギャップをカスタマージャーニー分析により早期に発見し、協働者と連携しながらデジタルマーケティングを最適化するポイントについて解説する。

カスタマージャーニーの仮説は、全ての施策が効果を発揮している「理想」の状態

 多くのマーケティングプラットフォームには、ユーザーの行動プロセスを可視化するカスタマージャーニー分析の機能が備わっている。この機能を活用することで、マーケターが作成したカスタマージャーニーと実際にユーザーがたどったプロセスのギャップを発見することができる。

 しかし、この機能を正しく活用するためには、マーケターが作成したカスタマージャーニーは、全ての施策が効果を発揮している「理想」の状態であるということを念頭に置いておく必要がある。全ての施策を一度に実行できるケースは、残念ながら現実には多くはない。デジタルマーケティングの戦略上必要な施策であったとしても、予算やスケジュールの都合で実施の規模を縮小したり、実施自体を見送ったりすることもある。

 カスタマージャーニー分析に当たっては「今」が理想のカスタマージャーニーの実現に至る過程の途中段階にあることを認識した上で、実行前の施策と実行済の施策を明確に切り分け、実行済の施策だけで実現し得るカスタマージャーニーを定義する必要がある。定義したカスタマージャーニーを今の理想の状態として、実際にユーザーがたどったプロセスとの違いを比較する。

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