Oktaは米国時間3月3日、開発者向けのアイデンティティ管理プラットフォームのAuth0を約65億ドル(約7000億円)相当の株取引で買収する計画を発表した。買収は両社の取締役会は買収を承認している。Oktaの2022会計年度第2四半期(2021年7月31日締め)中に完了する見通しだ。
Auth0は2013年に創業した。9000社を超える法人顧客を抱え、70カ国以上の顧客にサービスを提供している。Oktaは、従業員や顧客の認証に利用されるID管理ツールを1万社超に提供している。
買収完了後、Auth0はOktaの社内で独立した事業部門として運営される。両プラットフォームへのサポートや投資が行われるが、いずれ統合されるという。
Oktaの最高経営責任者(CEO)Todd McKinnon氏は、声明で「開発者中心のAuth0のIDソリューションを『Okta Identity Cloud』と組み合わせれば、既存の顧客と将来の顧客に非常な大きな価値をもたらす」とコメントした。「デジタル化が進む世界で、アイデンティティーは仕事でも私生活でも、われわれが技術を利用する手段を一元化している」(McKinnon氏)
Oktaは、クラウドやハイブリッド型ITの導入、デジタル変革構想、ゼロトラストセキュリティの採用といったITのトレンドにより、アイデンティティー管理はデジタルセキュリティのますます重要な要素になっているとしている。Oktaによると、アイデンティティー市場は550億ドル(約5兆8900億円)規模となっている。
現在、Oktaの事業の大半は従業員のアイデンティティーを対象としており、Auth0を買収することで、顧客を重視する事業を拡大できる可能性がある。
McKinnon氏は、「Auth0と組み合わせることで、デジタルアイデンティティの標準としてOktaを確立させるという当社のビジョンが加速する。顧客がデジタル変革を加速させ、顧客とデジタルに交流するためのスケーラブルでセキュアな手段を模索している時だ」と述べた。
またOktaは3日、第4四半期決算(1月31日締め)を発表した。市場予想を上回り、2022会計年度の売上高が10億ドルを超えるとの見通しを示した。
第4四半期の売上高は前年同期比40%増の2億3470万ドル、純利益は非GAAPベースで800万ドル(1株当たり6セント)だった。
アナリストは売上高を2億2185万ドル、1株当たり純損失を1セントと予想していた。
2021会計年度通期の総売上高は前年比43%増の8億3540万ドル、1株当たりの純利益は非GAAPベースで13セント(希薄化後11セント)となった。
第4四半期のサブスクリプションの売上高は、前年同期比42%増の2億2540万ドル、通期では前年比44%増の7億9660万ドルだった。
同社は2022会計年度第1四半期の見通しについて、売上高を2億3700万~2億3900万ドル、非GAAPベースの1株当たり純損失を20~21セントと予想している。2022会計年度通期では、売上高が10億8000万~10億9000万ドル、1株当たり純損失は44~49セントになる見通しとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。