分かりやすいのは、面倒に感じる経費精算
セッションの後半では、名刺管理サービス「Sansan」を提供するSansan Sansan事業部 マーケティング部 副部長 福永和洋氏が質問する質疑応答時間を設けた。
Sansan Sansan事業部 マーケティング部 副部長 福永和洋氏
福永氏が「DXを推進する企業の特徴や共通点」を尋ねると、橋本氏は「トップがDXに対するリーダーシップを持って推進する力(を持つ企業)。われわれ自身が先頭バッターとしてDXを推進し、その成功体験を広げていきたい」と回答した。
続けて福永氏が「間接業務からDXを着手する企業の判断背景」と尋ねると、橋本氏は「本業の領域でDXを推進するとプロジェクト期間も長期化し、企業全体に『自社が変わっていく』という印象が伝わりにくい。たとえばLIXILグループはグローバルでDXを推進しているが、やはり分かりやすいのは、皆さんが面倒に感じる経費精算の領域」だと説明した。
福永氏が「間接業務は各社個別のルールがあり、(SaaSの)導入障壁につながる」と尋ねると、橋本氏は「現状業務を変えたくないという現場の反対勢力は実際にいる。トップダウンのリーダーシップで変化させるのも大事だが、当初の予定とギャップが生じた場合は経営判断層を交えて、1つ1つ丁寧に確認している」と対応策を解説した。
最後に福永氏がSansanとコンカーの連携する未来を問うと、橋本氏は「“名刺管理=Sansan”という世界を実現している。われわれは経費精算の領域で同様の世界を目指したい。その上でSansanの名刺管理機能と顔認証技術を組み合わせ、会食時の集合写真を自動的に突き合わせて取り組む仕組みがあれば、入力レスやガバナンス強化につながる。そんな世界が実現できると面白い」と提案した。