日立製作所(日立)と西日本鉄道(西鉄)は、日立の「ナッジ応用技術」を活用して公共交通機関を利用する人々の行動変容を促す実証実験を3月17日から実施する。ニューノーマルな社会に即した移動と経済の活性化を両立することが目的。同実証実験は、西鉄バスの福岡市天神・博多エリアを通る便を対象として、スマートフォンアプリを用いて実施する。
実証実験の参加者がアプリで経路を検索すると、事前に入力した参加者の好み、天候を加味した交通混雑予報、商業施設のリアルタイム混雑情報、目的地への経路情報を組み合わせた混雑を回避するルートや時間の過ごし方などの移動パターンが表示される。これにより、参加者の行動変容を促し、参加者と交通事業者、周辺の商業サービスの3者にメリットをもたらすことを目指している。

実証実験で促す行動変容のイメージ(出典:日立、西鉄)
例えばバスの混雑時には、参加者の好みに応じて、近隣の空いているカフェで利用できるクーポンを提供し、混雑ピークを避けてカフェを利用するよう促す。実証実験終了後、参加者へのアンケートやインタビューなどにより、促された情報に基づいて彼らがどの程度行動を変化させたのかを検証する。

実証実験における移動パターンの表示手順(出典:日立、西鉄)