今や、Amazon Web Services(AWS)のクラウドストレージプラットフォームである「Amazon S3」(Simple Storage Service)には、100兆個以上のオブジェクトが保存されている。
AWSのJeff Barr氏は、S3のサービス開始から15周年を祝う発表の中でこの数字を明らかにした。AWSがS3の提供を開始したのはAmazonが「Amazon.com Web Services」をリリースしてから4年後の2006年3月14日のことだったが、その頃提供されていたクラウドインフラサービスは、今のAWSの姿とは全く異なるものだった。
S3はAWSが初めて一般に提供したサービスで、開発者に対して、従量料金で安価なストレージを提供するものだった。同社はその5カ月後に「Elastic Cloud Compute(EC2)」をリリースし、計算リソースも提供するようになった。
S3のオブジェクト数はこの10年間で飛躍的に増加した。S3のオブジェクト数が1兆個に達したのは2012年のことだったが、Azureを2008年10月にリリースしたMicrosoftは、その年にすでに4兆個のオブジェクトを抱えていた。
Barr氏は、ブログ記事の中で、S3のAPIを単純な設計から始めたことを振り返っている。APIでできたのは、「バケットを作成する、全てのバケットのリストを取得する、オブジェクトを入れる、オブジェクトを取り出す、アクセスコントロールを入れる」ことだけだった。
Barr氏はまた、S3は「イレブンナインの耐久性」を提供するように設計されたと述べている。これは、S3に保存されているオブジェクトの耐久性が99.999999%であることを意味する。
AWSは、S3が登場してからの15年間に、アクセス頻度が低い大量のデータを保存するためのストレージ「S3 Glacier Deep Archive」や、さまざまなデータレプリケーションサービス、セキュリティ機能、オンプレミスのデータセンターからAWSにペタバイト規模のデータを移行するための輸送コンテナー「Snowmobile」など、数多くの新しいサービスを立ち上げてきた。
AWSは今も世界最大のクラウドインフラプロバイダーで、四半期売上高は120億ドル、年間売上高ランレートは460億ドルに達している。また、現在のAWSはAmazon社内で最も業績が高い部門になっており、AWSの最高経営責任者(CEO)であるAndy Jassy氏は最近、Amazonの創業者Jeff Bezos氏の後を引き継いでAmazonのCEOに就任すると発表している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。