新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活を大きく変えました。テレワークへの移行当初は、離れた場所から働く従業員が「きちんと働いているか?」と心配するマネージャーが多かったかもしれませんが、テレワークが長期化し定着していくにつれ、企業は「従業員がモチベーション高く仕事を行えているか?」を懸念するようになっています。
企業の成長に影響を与える
従業員エンゲージメントという言葉を耳にすることが多くなりましたが、どのような職場が従業員エンゲージメントの高い職場なのでしょうか?
従業員エンゲージメントとは、職場に誇りや愛着を持って自発的に行動しようとする姿勢の度合いを定量的に表す指標のことです。従業員満足度とも似ていますが、従業員エンゲージメントは、仕事での幸福感よりも、従業員の生産性や職場環境での集中力にフォーカスした考え方です。そのため、従業員エンゲージメントは、より会社全体の成功に影響のある指標になります。
なぜ重要なのか?
従業員エンゲージメントを高めることで、従業員は決められた業務以上のパフォーマンスを発揮します。プロジェクトを予定よりも早く完了させ、成果を上げるため組織をより俊敏で効率的にするための新しい方法を見つけだそうとします。
従業員エンゲージメントを高水準で保てている時は、仕事中に気が散ることが少なく、物事を成し遂げるための新しい方法を見つけ出す可能性が高くなるのです。また、そのような従業員は会社のミッションに共感しているため、より大きな視点でものごとをとらえ、会社全体の売り上げを上げるため同僚を手助けするなど、積極的に行動してくれます。
従業員エンゲージメントを向上させることは、いくつかの点で組織にメリットをもたらします。
米Gallupによると、従業員エンゲージメントが高いと離職率が59%も減少し、意思決定と顧客満足度が向上し、利益が約21%増加します。最近550人の経営者を対象にした「Harvard Business Review」の調査(PDF)では、回答者の71%が、従業員のエンゲージメントを組織全体の成功を達成するために非常に重要であると評価しています。
従業員体験との関連性
従業員エンゲージメントは、従業員体験と密接な関係があります。従業員の体験には、同僚や上司との関係、IT環境やワークスペースでの体験、毎年行われる業績評価のような大きな節目など、会社とのあらゆるやりとりが含まれます。
従業員体験は、各従業員が会社のミッションや目標にどれだけコミットしているかに直接影響を与えるため、従業員体験の質が高ければ、従業員エンゲージメントも高くなる傾向があります。
このことを念頭に置き、従業員エンゲージメントを向上させたいと考えている企業は、日々の従業員体験を支えるIT環境や企業文化に細心の注意を払う必要があります。より優れたマネジメントとテクノロジーで従業員の体験を最適化する戦略を設計することで、企業は従業員の仕事へのエンゲージメントを高める傾向があります。