オフィスカジュアルからTシャツとジーンズ、生まれた多様性
想定以上に低コストで体験的にも期待値が持てるプロダクトになったこともあり、グロービスの経営陣からも、「どんどんエンジニアを採用していきましょう」という言葉を掛けてもらえました。企業がデジタル化を進める上で、トップが「テクノロジーに投資をしていく」と発信をしてくのは重要だと感じています。
「エンジニアをガンガン採用する!」とのトップの掛け声もあり、4年間で70人の開発組織にもなってきました。私たちが大事にしたいのは、プロダクトを通した価値提供です。技術を高めていきたいというよりも、「技術を使って何か世の中に価値を届けたい」という人がたくさん集まっています。子どもが生まれたタイミングで、「子どもたちにどういった未来を届けたいか?」と考えるエンジニアも多くいます。そういった仲間には、「テクノロジーを活用し、教育に携わることができる」という環境が魅力的に映っているようです。
以前から所属している社員は、エンジニアが増えたことで社内の雰囲気にも変化があったと言います。もともと営業やコンサル出身者が多く、オフィスカジュアル程度の服装をしている人が多くいましたが、エンジニアが入社してから、Tシャツとジーンズの比率が増えたそうです(笑)。
会社の中にテック系の文化を作る上で、あえて会社に短パンを履いて出社したこともありました。カジュアルな服装をしているエンジニアたちを見て、他部門の人たちも少しずつ「必ずしもオフィスカジュアルでいる必要はないんだ」「短パンでもいいのかな」という雰囲気ができたようです。数年後には、営業部門の人も内勤の日は短パンを履くようになるほどでした。いわゆるIT系の文化が醸成され、企業の多様性を作る上で大きく影響したのではないかと感じています。
今の私は「VP of Engineering」として、組織作りに取り組んでいます。特に注力しているのは、エンジニアが成長できるための仕組み作りです。ビジネスの責任者がエンジニアの評価をしている企業も多いですが、専門外の人には、十分なエンジニアの能力評価が難しいと思います。アウトプットの評価はできますが、その人の能力が市場の中でどれだけ高いのかを評価することが難しいのです。そこで、1年ほど前から横断チームを作り、テックリードがエンジニアの評価をできるようにしています。
この4年間エンジニアの組織作りに取り組んできましたが、グロービスの資本とブランドを生かして、自由度の高い教育の在り方を提供していきたいと思います。「社会人になってまで、なぜ学ぶ必要があるのか?」と考える方は多いですが、社会人の誰もが当たり前に学んでいるような社会を作っていきたいと思います。
- 執筆:末永 昌也
- グロービス VP of Engineering
- 東京工業大学情報理工学研究科修了。グロービス経営大学院英語MBAコース修了。I&Gパートナーズ(現アトラエ)入社後、Startup Weekendの世界大会入賞をきっかけに、LOUPEを立ち上げCTOに就任。その後、グロービスに1人目のエンジニアとして入社しプロダクト開発・組織開発を行い、現在VP of Engineeringとして開発統括。