KDDIと三井物産は、位置情報や人工知能(AI)を利用して都市状況の精密な可視化やシミュレーションを行える「次世代型都市シミュレーター」を開発したと発表した。スマートシティーの開発に役立てることを目指す。
開発したシミュレーターは、auの契約者から同意を得て取得した位置情報や国勢調査などのさまざまなデータを、機械学習手法の1つである「Activity Based Modeling」を利用して分析する。AIで人の移動を予測して地図上に表示し、都市内における人の動きをモデル化するという。
KDDIは、このモデルを活用することで人の移動の目的や手段、経路など情報が可視化され、数カ月を要した分析や予測を数時間~数分で行えることを目指すとしている。また、利用者が任意に設定した条件から都市の人流を予測でき、エネルギー需要予測や施設の混雑予測をリアルタイムにシミュレーションできるという。
両社では、これによりスマートシティーの開発を支援するほか、5G(第5世代移動体通信)や金融、モビリティーサービス(MaaS)、エネルギー、インフラなどの事業創出も目標に掲げる。KDDIは、5Gの基地局や電気自動車の充電スポット、自動運転バスの停留所などの配置場所の検討や、自動運転ルートのシミュレーションなどにも取り組むとする。

利用イメージ
今後は3月からシミュレーターの予測結果の正確性検証などを進め、2021年度中の事業化を目標にしている。