IDC Japanは、「2021年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」を発表した。最新のテクノロジー/サービスの継続的な提供能力を既に備えているとする企業は2割強に上った。
この分析は、2月に行った536の国内企業・団体の経営層、事業部門長、部課長へのアンケート調査の結果をもとにしている。回答者の自己評価だが、最新のITインフラの提供能力があるとの回答割合は2020年2月の前回調査から若干増加し、「十分とは言えない/不充分である」との回答は7割超だったとしている。
回答者の組織がITインフラ関連投資で重点的に取り組むものは、「クラウド、ネットワーク、データセンターを対象とした統合管理システムの構築」だった。また、2年以内の新たな取り組みでは「ビジネスアプリケーションに組み込まれたAI(人工知能)の活用」が最上位に挙がった。
ITインフラ関連の重点投資エリア(「分からない」を除く複数回答)、出典:IDC Japan
オンプレミスで稼働するITインフラの調達形態(複数回答)では、「買い取り/リース」が7割前後、「従量課金制」が3割前後だった。従量課金制を利用する理由の上位3項目は「ITインフラの運用管理の負荷の軽減」「ITインフラ関連コストの最適化」「ITインフラの構築や更新の負荷の回避」だった。
IDCは、コロナ禍でも投資余力のある企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが加速させており、DXを支えるITインフラが不可欠と解説。しかし、ITインフラを新しくする課題もあり、その阻害要因では「予算の制約」が突出して挙げられ、「ITスタッフの過負荷/不足」「最新テクノロジーに対するITスタッフの教育/知識不足」との回答も両者合計で4割弱を占めた。同社は、DXを支えるITインフラを新しくする上で、オンプレミスのITインフラの従量課金制がその手立ての1つになるともしている。