NTTドコモ(ドコモ)と徳島県は3月から、5Gとドコモオープンイノベーションクラウドを活用した高精細映像伝送による遠隔医療支援システムを徳島県立中央病院、三好病院、海部病院に導入する。2021年度早期の運用開始を予定している。
同システムは、ドコモオープンイノベーションクラウドによる高セキュリティな閉域網を利用し、医療機器のデータやカメラの高精細映像を高速かつ大容量の5G(第5世代移動通信システム)で、遠隔地にある県立病院の間を伝送することを可能にする。
また患者や医師の映像に加え、エコーや心電図/内視鏡などの医療機器データを合成して一画面での送信を行うことで、医師の負担を軽減できる。
2020年1〜2月に徳島県立中央病院と海部病院で実施した実証実験の結果や患者と医師の意見を踏まえ、操作性の向上や映像や音声合成などのシステム改善を加えて構築している。映像配信には、ソリトンシステムズが提供する高精細映像配信システムを活用する。
同ステムの活用により、例えば診療のため遠隔地へ出向いていた専門医と患者双方の移動時間の軽減や、各地域でも都市部と同等の医療を受けられると期待される。
またドクターカーなどへの搭載により救急/訪問医療支援できる。さらに、熟練専門医による医療行為を映像伝送することで若手医師への指導や、県立総合看護学校と県立病院をつないだ遠隔授業への活用など、将来的にはさらに幅広い活用が見込まれるという。